AI体験「柿山伏」、伝承センターに移設 気軽に鷺流狂言を体験

 山口県指定無形文化財の「山口鷺流狂言」をゲーム感覚で体験できる「狂言であそぼうAI体験『柿山伏』」が、山口ふるさと伝承総合センター(山口市下竪小路12)にお目見えした。

 同館内「まなび館」に設置された55インチのモニターに映し出されるお手本の所作をまねて、どれだけ同じような動きができたかが、AIによって採点される。お手本は山口鷺流狂言保存会の伊藤隆さんと米本太郎さんが演じた動画。所作の種類は、鷺流狂言の演目「柿山伏」に出てくる6種類で、大木を揺さぶったり、弓を引く動きなどがある。採点後には、体験者の月間ランキングも示される。

▲モニターに向かって狂言体験

 これは、地域伝統芸能の普及・振興につなげるため山口県が開発したもの。10月8日・9日に行われた地域伝統芸能全国大会「日本の祭りinやまぐち2022」で初披露され、同18日に山口鷺流狂言の発信拠点でもある同館に移設された。開館時間内(午前9時~午後5時)であれば、自由に入場して体験することができる。また、狂言体験に加え、狂言動画や観光情報を視聴することもできる。同館以外には、ルネッサながと(長門市)とシンフォニア岩国(岩国市)にも設置された。

 「当館では、山口鷺流狂言の伝習会も開かれている。伝統芸能は難しいといったイメージを払拭し、参加者が増えるきっかけになれば」と、同館の兒玉和夫さんは期待を寄せている。

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