町有林の間伐材で製品 みなべ町が小中学校、役場に設置へ

みなべ町がメーカーに作ってもらう物と同じタイプの本棚

 和歌山県みなべ町は、町有林で間伐した木材を使って作った本棚などを町内の小中学校や保育所、こども園などに設置する。森林環境譲与税を活用した事業。町議会9月定例会で関連予算約328万円を盛り込んだ一般会計補正予算案が可決された。本年度中の設置を予定している。

 町は本年度、みなべ川森林組合に委託して、初めて町有林(みなべ町市井川)約12.5ヘクタールのスギやヒノキ約1500立方メートルを間伐して製材業者に販売した。その収益は一般財源に繰り入れる予定だが、別に森林環境譲与税を活用し、間伐した木材を利用した木製品を備品として購入することにした。

 日高郡内のメーカーに本棚13、絵本ボックス4、卓上スタンド4、センターテーブル1、ヒノキの玉が入った子ども用の遊具プール1を作ってもらい、それを設置する。

 大きさは本棚が高さ160センチ、幅65センチ、奥行き50センチ。センターテーブルは長さ200センチ、幅90センチ、高さ72センチなど。本棚は各小中学校と公民館、町役場、絵本ボックスは保育所とこども園、卓上スタンドは町役場、センターテーブルは町役場産業課に置く。ヒノキプールは、子育て交流施設(旧南部幼稚園)に設置する。

 町産業課は「『木育』の観点から実施する事業。町有林の木材を使ったことが分かる説明を付け、皆さんに地域資源の大切さを伝えたい」と話している。

みなべ町の町有林間伐事業で切った木材(和歌山県みなべ町で)

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