上越市白山会館開館50周年 同和問題 早期解消を 節目の式典 決意新た

 上越市白山会館の開館50周年を記念する式典・講演会が13日、同市本城町の高田城址公園オーレンプラザで開かれた。関係者や来賓ら145人が出席、いまだ解決を見ない同和問題の早期解消に向け決意を新たにした。

上越市白山会館の開館50周年を祝い、同和問題の早期解消に向け決意を新たにした

 同館は昭和47年、同市の人権教育、同和教育の拠点施設として開館。小中学生に向けた学習会、教員を対象とした現地学習会、地域交流の場として活用されてきた。
 式典の開会に際し、同館開館50周年記念事業実行委員会の寺田喜男会長があいさつ。「直近3年間の平均で毎年2800人ほどの利用があるなど、会館は学びの拠点としての役割を果たしてきた。部落問題解決を目指す取り組みへの覚悟を新たに、ますますの支援を」と呼び掛けた。
 部落解放同盟新潟県連合会上越支部の嶋田守雄支部長は「教育によって差別は必ずなくなると考える。学校、行政、団体などが連携し、それぞれの立場で同和問題の解決に向けた教育を強く推進することが大切」と述べた。来賓の中川幹太上越市長は「市の主要計画にさまざまな人権問題の解消に向けた取り組みを掲げ、あらゆる差別のない、市民の笑顔があふれるまちに向けて、たゆみない努力を続けていく」と決意を示した。
 式典の最後には、同和地区の出身者が発言。子どもたちに出身者であると伝え、理解が得られたと声を詰まらせ、「親が子に全てを教えることは限界がある。教職員全てが部落問題を生徒に教えられるよう、指導してほしい」と訴え掛けた。
 この後、同館運営委員会の中村忠雄委員が講師を務め、「被差別の痛み、国の責務・国民的課題」と題して講演。同館事業を通じて学んだこと、部落解放運動の先達や当事者の声などを伝えた。

会場には、上越市白山会館の概要や年表をパネル展示した

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