沖縄県知事「自分事として考えてほしい」 米軍基地の現状 広島市で講演

基地の問題を、国全体の問題として考えてほしいと呼びかけました。沖縄県の玉城デニー 知事が先日、広島市で講演し、アメリカ軍基地をめぐる現状を訴えました。

【写真を見る】沖縄県知事「自分事として考えてほしい」 米軍基地の現状 広島市で講演

沖縄県 玉城デニー 知事
「1万8484ヘクタールです。これは、広島市の面積の約20%、約2割ですね。その広さ、広島市全体の2割が米軍基地ですよ。みなさんだったらすぐこのくらいの広さかな、こういう感じかなっていうことがわかっていただけると思います」

12日に広島市で講演した玉城知事。基地問題の議論を日本全体で深めようと、全国各地を訪れています。

SNSなどで誤った認識が拡散するケースもあり、「沖縄の現状を知ってもらい、国全体で考えてもらうこと」が目的だといいます。

玉城知事は、国内にあるアメリカ軍基地の7割が沖縄に集中する状況について、「日米安保の必要性は理解できるものの、受忍限度を超えている」と訴えました。

そして、不平等な日米地位協定を改めるべきだと指摘しました。

玉城デニー 知事
「原則、国内法は不適用。管理権の明記はない。航空特例法等による規制できない。つまり、どこの空であっても米側が訓練で使うといえば運用上、日本政府はこれをノーと言うことができない。そういう法律の適用になっていないからです」

県北西部の山沿いの地域を中心に繰り返されているアメリカ軍機による低空飛行訓練…。

広島県は、住民が生活する地域の上空で実施しないよう、再三にわたって国に求めていますが、騒音の回数は増加しています。

玉城デニー 知事
「あれはもう沖縄の問題でしょとか、岩国の周辺の話でしょっていうように、ちょっとそうやって矮小化、小さいものごとのようにされてしまうというところにわれわれは常にやっぱり注意を払って、そうではないんですよ、みなさんの日本全体の国民の問題なんですよっていうことを言い続けなければいけないだろうなと思うんですね」

普天間基地の辺野古移設反対を掲げて、玉城知事は9月の県知事選で再選されました。

ただ、岸田政権は辺野古推進の立場を崩していません。

玉城デニー 知事
「どなたが総理になっても米側と取り決めたことは変わりません。県民がどんなに声を上げ、どんなにわたしが、辺野古反対だという知事が当選しても、それは選挙はいろいろなその争点の中の一つだと思っています…ぐらいにしか受け止めないんであれば、もはやもう、それは政治の堕落だといったような厳しい言葉さえ使わざるを得なくなってきてしまう」

沖縄県 玉城デニー 知事(講演)
「これは、わたしたちの子どもや孫たちが将来、どういう地域を作っていきたいか、どういう場所で育っていきたいか、あるいは家族を養っていきたいかという問題と、じかに直結しているわたしたちの問題です」

玉城知事は、全国各地でトークキャラバンを続けて、基地の問題を「自分事として考えてもらえるよう、理解を求めていきたい」と話しました。

© 株式会社中国放送