「いきなり180~200万円の請求に」“古着ブーム”に逆風?ボーダーライン「120円」の意味とは【家計のミカタ】

シリーズでお伝えしている「家計のミカタ」、2回目に取り上げるのは、いまブームが再来している「古着」です。今回の数字は「120円」です。古着ブームを支えるためのボーダーラインとされる数字です。行き過ぎた円安が古着ブームの逆風となっています。

浜松市中区田町の古着ショップ「PRECIOUSJUNK」は、アメリカから直輸入した1980年代から2000年代のアイテムを取り扱っています。

<「PRECIOUSJUNK」じょん店長>

「ヴィンテージよりユーズドを取り扱っているので、大体定価の501は1万5000円くらいなんですけど、当店ではその3分の1位の値段で販売させていただいております」

古着は掘り出し物が醍醐味。良質な品やブランド品が安く手に入り、多くの客を引き付けます。

<客(20代)>

「ここで買った古着なんですけど。ポロが好きなんで、表面の網の感じが好きだったんで買いました」

<野田栞里記者>

「コーディネートしていただきました。おしゃれ上級者って感じがします。いまのトレンドに流されないで自分のこだわりのコーディネートが楽しめますね」

古着を着ることは、SDGsにもつながります。今は古着ブーム。中古衣類の日本の輸入量は年々増加しています。2021年は、最高の8701トンでした。

<野田栞里記者>

「これ、全部古着ですか」

<「PRECIOUSJUNK」水谷昌平バイヤー>

「ちょうど先月アメリカから届いたばっかの荷物で」

<野田栞里記者>

「どれくいらいあるんですか」

<「PRECIOUSJUNK」水谷昌平バイヤー>

「1個45キロくらいで、20個以上あるので1トンぐらいはあるかな」

古着バイヤーの水谷さんは、提携を結ぶアメリカの業者から毎月定期便で仕入れ、卸売りもしています。古着ブームで一気に仕入れを増やしたいところでしたが、そうはいかない問題が、水谷さんを悩ませます。

<「PRECIOUSJUNK」水谷昌平バイヤー>

「500キロくらいなら大体100万円、送料も合わて120〜130万円くらいだったのが、円安にふれていきなり180〜200万円の請求になって」

悩みの種は急激に進んだ円安です。2021年の今頃は、1ドル115円程度でした。それが今年は一時1ドル=150円超に。物は変わらないのに、支払いのコストは3割も上がった計算です。

<「PRECIOUSJUNK」水谷昌平バイヤー>

「いまの流れだと、(1ドル=)100〜120円くらいかなとずっと思っている。120円くらい、欲を言えば100円とかの方が嬉しい。輸入業なので」

いまは買い付け量を減らすなどして耐えていると言います。しかし、この先の為替相場について、専門家は楽観視できないと話します。

<静岡経済研究所 恒友仁常務理事>

「先週アメリカの物価指標が弱く出たので、7円ほど急に円高の水準にふれましたけど、日本とアメリカの金利差はだいぶ高い水準で残っているので、しばらくこの円安基調は変わらないということになると思います」

私たちが安心してファッションを楽しむためにも為替の安定が求められます。

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