ここ最近、「富士宮やきそば」に欠かせないあるモノが不足しているそうです。“ご当地グルメの王様”に、何が起こっているのでしょうか?
JR富士宮駅(静岡県富士宮市)近くの飲食店。11月15日も「富士宮やきそば」を求めて、静岡県の内外から訪れた客で賑わいました。
<長崎から来た客>
「もちもちして香ばしくて美味しい」
10月に行われた将棋の「竜王戦」では、藤井聡太五冠、広瀬広瀬章人八段の双方が「勝負メシ」に「富士宮やきそば」を選択。“ご当地グルメの王様”が、いまだ健在であることを知らしめました。しかし、今、「富士宮やきそば」に欠かせないあるモノが品薄になっています。
<「キッチントトロ 」岡村香織さん>
「肉かすですね。品薄になって値段も高騰してきてびっくりした」
「富士宮やきそば」を名乗る上で欠かせない「肉かす」。豚の脂からラードを絞った後に残ったものを「肉かす」と呼びますが、今、品薄になっているというのです。
<富士宮市出身の客>
Q肉かすは必要不可欠?
「肉かすが富士宮やきそばに入っていないのは、カレーにジャガイモがないのと同じ」
富士宮市民にとっては、家庭の味でもある「富士宮焼きそば」。「肉かす」は富士宮市内のスーパーなどで買えるものですが、SBSが市内のスーパー10店舗を調査したところ、3店舗で品切れ、残る7店舗でも品薄となっていました。
富士宮やきそばの麺や肉かすを販売するマルモ食品工業も、2022年9月頃から「肉かす」の仕入れが一気に困難になったといいます。
<マルモ食品工業営業部 吉田政司部長>
「為替が円安に振れていて、海外の豚脂を使っていたメーカーが国産品を使うようになり、限られた量なのでひっ迫状況に陥ってしまった」
円安の影響により海外の豚の値段が高騰、また、国内で豚の背脂を使ったラーメン店が増えていることなどもあいまって「肉かす」の争奪戦が起きているのです。マルモ食品工業は、この状況を打開しようと代替品の開発を急いでいます。
<マルモ食品工業営業部 吉田政司部長>
「(代替品は)旨味が凝縮されたラードになっている。今、急ピッチで商品化を進めている」
マルモ食品工業は、「肉かす」に近い味を楽しめる代替品を、12月中に発売したいとしています。