子宮内膜がん発症するマウス 作製期間4分の1に 治療研究の進展期待 群馬大

 婦人科領域のがんで年間の新規患者数が最も多い子宮内膜がん(子宮体がん)について、群馬大は16日付で、子宮内膜がん治療の研究に使うマウスを従来の4分の1程度の期間で作製できるゲノム(全遺伝情報)編集方法を開発したと発表した。変異させる遺伝子の種類や数を変えることで多様ながんの発生も検証できる。マウス作製の迅速化により、子宮を摘出しない新しい治療法や治療薬の開発が加速することが期待される。

 同大によると、子宮内膜がんはがんを抑制する働きのある複数の遺伝子が働かなくなることで発症する。国内の婦人科領域で年間の新規患者数が最も多いがんで、食の欧米化や出産の高齢化などを背景に今後も患者数が増えることが懸念されている。現在の治療法は子宮を摘出する手術を行う場合が多いが、妊娠できなくなるため子宮を温存した治療法へのニーズが高まっている。

 研究用のがんを発症したマウスの作製は、従来の技術では遺伝子を改変したマウスを交配して子孫を産ませる必要があり、1年以上かかった。

 新たな技術はマウスのゲノムを編集する方法で、特定のゲノムを認識する物質とゲノムを切断するタンパク質を組み合わせた複合体を、マウスの子宮の細胞に電極を使って直接送り込む。子宮内膜がんの発症と関連がある遺伝子を破壊するゲノム編集をマウスに行ったところ、3カ月でがんを発症。編集する遺伝子の種類や組み合わせを変えることで、発症の仕方にも違いが見られたという。

 研究は同大生体調節研究所の畑田出穂(いずほ)教授と小林良祐・日本学術振興会特別研究員らの研究グループが行った。畑田教授は「この技術が広がって新たな治療法の研究が進めば光栄だ」としている。

 成果は国際科学雑誌「インターナショナル・ジャーナル・オブ・キャンサー」の電子版に掲載された。

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