「話し合いによる解決」要請 最高裁に漁業者側 諫干請求異議訴訟

 国営諫早湾干拓事業潮受け堤防排水門の開門を命じた確定判決を巡る請求異議訴訟で、開門確定判決原告で上告中の漁業者側は15日、最高裁に対し、慎重で公平・妥当な審理と「話し合いによる解決」を求める要請書を提出した。
 要請書では「長年の不漁で漁業者は著しく疲弊している。国が固執している非開門を前提とした100億円基金案では解決は見通せない。話し合い解決は唯一の正しい方策」などと主張。前提条件を付けない和解協議を求めた。
 要請後、漁業者と弁護団などが参院議員会館で集会を開催。佐賀県の漁業者、平方宣清さんは、昨年から佐賀県西南部の漁場で深刻な養殖ノリの不作が続き、アサリやタイラギも不漁が続いていると報告。「基金で解決しようとする国に怒りを覚える。根本的解決のため開門調査をしてほしい」などと訴えた。
 集会後の意見交換で、農水省の担当者は「非開門を前提とした話し合い」には応じるという従来の立場を示した。


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