消費税還付で10%利益が出る?副業でも輸出ビジネスは魅力があるのか

会社員の副業が広がるなか、記録的な円安もあり輸出ビジネスへの関心が高まっています。

そこで、副業支援スクールで講師を務める竹中重人 氏の著書『1日1時間で1億円! 米Amazon輸出ビジネス』(ぱる出版)より、一部を抜粋・編集して米Amazon輸出ビジネスのメリットについて解説します。


PC1台でどこでもできる「クラウド貿易」

従来の貿易事業は、今よりも時間とお金がかかっていました。まず、飛行機で海外に渡航する必要がありました。そして、現地で慣れない英語を駆使し、業者と関係を作ります。時間をかけて関係を作っても、実は詐欺業者だと判明し、ゼロからの再スタートということも珍しくありません。現地で見た商品と販売商品が違うというトラブルも起こります。商品に汚れや傷があった、後から安い材質に変わっていた、色違いの商品だったなど、トラブルは日常茶飯事です。

自宅の倉庫が仕入れた輸入雑貨で溢れるということもありました。商品が売れれば売れるほど、足の踏み場もなくなります。さらに、自分一人でやる場合は、体力的にもハードな業務となります。汗水垂らして労働する必要があり、非常にアナログでスマートさとは程遠いビジネスでした。

私は、従来の貿易ビジネスに対して、本著で紹介する米Amazon輸出ビジネスのことを「クラウド貿易」と呼んでいます。クラウドとは直訳すると雲ですが、インターネット上の仮想空間のことを指します。ユーザーが大規模なインフラやソフトを持たなくても、インターネット上で必要なサービスが利用できる仕組みです。クラウドにはデータが無限に保存できるため、とても注目されています。すでに多くの人がその恩恵を受けていると思います。クラウドは、デジタル社会のスマートさを象徴した用語だと言えるのでしょう。

クラウド貿易は、クラウドを活用した貿易ビジネスです。つまりはPC1台があれば完結します。商品を仕入れる場合は、日本のAmazonや楽天などで購入し、荷物の受取先を代行業者にします。代行業者が商品を保管し、代わりに貿易手続きを行い、米Amazonの倉庫まで商品を届けます。米Amazonに商品が届くと自動的に販売が始まります。商品が売れたら米Amazonがお客様の元に商品を届けます。このように、代行業者を上手く使えば、一連の作業を委託することができます。商品の保管場所も、Amazon倉庫を活用すれば、まったく必要ありません。極端な話、商品の現物すら触らずにビジネスが完結します。

売上が増えても、サイトや通帳の残高の数値が増えるだけです。もちろん、取引先に電車で訪問して約束手形を回収しに行く必要もないのです。従来型の物販ビジネスのように、売上に比例して作業量も増えるということもありません。

必要なのは、PC1台とコツコツ継続する行動力だけです。基本知識は本書を読むだけで十分です。新しいことに一歩踏み出す勇気があれば、スタートでき、難しいスキルもビジネス経験も必要ありません。私は、老若男女が取り組めるこのクラウド貿易が新しい時代のスタンダードになると考えています。

やればやるほど時間がかからなくなる「ストック型ビジネス」

世の中のビジネスは、「フロー型ビジネス」と「ストック型ビジネス」の2つに分けられます。

「フロー型ビジネス」は、収益が上がるのが1回限りのビジネスです。例えば、飲食店、美容室、コンビニ、家電量販店などが該当します。「フロー型ビジネス」は、すぐに収益が上がるのがメリットですが、継続的に新規顧客を獲得する必要があります。

一方、「ストック型ビジネス」は、継続的に収益が上がり続けるビジネスです。例えば、毎月の会費を受け取るサブスク型モデルもこのビジネスに含まれます。このモデルの場合、会員数が減らない限りは収益が安定します。そして、会員数を増やせば増やすほど収益が増大していきます。例えば、プリンターのインクもストック型ビジネスと言えるでしょう。1回プリンターを購入すれば、インクが切れる度に毎回インクを購入することになります。インク代を継続的に稼ぎ続けるビジネスモデルが特徴です。

流行のビジネスを追いかけると、「フロー型ビジネス」になりがちです。これだと、ブームが去ると同時に、残念ながらビジネスも終わってしまうでしょう。典型的なのがタピオカドリンクのお店です。「フロー型ビジネス」には、なかなか収益が安定しないというデメリットがあります。

一方、米Amazon輸出ビジネスは「ストック型ビジネス」に分類できます。アメリカ人の定番需要を狙うため、ブームでは終わらず継続購入につながります。積み木を1つずつ乗せるように、売れ筋の商品ラインナップを積み上げていく方式をとります。

このビジネスは、商品の種類や数が増えても、負担が急に増えないのが特徴です。実は、Amazonの場合、1個でも10個でも仕入れる手間はそれほど変わりません。さらに、一度売れた商品の補充仕入れは、改めてリサーチする必要がないため、非常に短時間で仕入れが終わります。

実は私のAmazon輸出のビジネスモデルでは、一過性ではなく数年にわたり売れている商品のみをラインナップできるノウハウがあるのです。このリサーチ方法だと、ラインナップを増やせば増やすほど売上が増えていきます。なぜなら一過性の商品ではないので、ブームに合わせてラインナップをころころ変えたり、季節に合わせて変えたりする必要がないので、一度仕入れた商品が、年中売れ続けます。そういった商品を増やしていけば、積み上がるように売上が上がっていきます。

まずは、売れる商品をリサーチして、売れ筋の商品ラインナップを50~100アイテムと、コツコツ増やしていってください。商品ラインナップの数だけ売上も利益も増大してゆきます。

自転車に乗れるようになったときのことを思い出してください。乗れるようになるまでは練習が必要でしたね。しかし、一度乗れるようになったら、数年ぶりでもすぐに自転車に乗れてしまいます。

米Amazon輸出ビジネスも自転車と同じです。一度慣れてしまえば、少々のブランクができても、まるで呼吸をするように無理なく取り組めるビジネスなのです。

1日1時間だけでOK!短時間の作業に集中する

ここまで「米Amazon輸出ビジネス」のメリットを紹介してきました。ここで「実際にどれくらいの作業量が必要なのか?」と気になった方もいると思います。

このビジネスは、代行業者に任せることで、あとは自動的に売れていきます。メインの作業は仕入れる商品のリサーチのみです。具体的な方法は後述しますが、効率良く行えば1日1時間程度の作業で十分なのです。

もちろん、自分一人で梱包や貿易手続きなど、すべての作業をやった場合は1日8時間くらいかかってしまいます。そして、自分の時間を消費するので、すぐに売上の限界が訪れます。参考までに、すべて自分で梱包作業などをおこなったときの流れを見てみましょう。

まず、商品リサーチをして、売る商品を決めます。次に、商品を仕入れるために、リアル店舗あるいはECサイトで購入。そして、商品を米Amazonに出品登録します。出品したい商品にラベルを貼って梱包し、伝票を貼り付けて、海外発送で米Amazonに出荷します。

次に、日本とアメリカの税関を通すために、貿易インボイスを作成します。アメリカの書類は当然ながら、英語で記入する必要があります。無事に税関を通ったら、米Amazon倉庫に入荷されます。入荷されると、米Amazonで商品が販売できるようになります。お客さんから商品購入の注文が入ったら、Amazon倉庫がお客さんに発送してくれます。商品が売れた2週間後に売れた代金がAmazonから入金されます。

これらの作業をすべて自分一人でやると、残念ながら副業では難しいレベルの作業量となってしまいます。商品数が少なければそれほど時間はかかりませんが、商品数が増えてきたら大変な重労働となります。

しかも自分の時間を使って作業をするため、すぐに売上の限界が訪れます。そのため、プロセラーと呼ばれる人たちはみんなプロの代行業者を利用しているのです。

例えば“日本一年収の高い企業”で有名になったキーエンスは、メーカーにも関わらず製造拠点を持っていません。製造はすべて代行業者に委託して、会社のリソースをすべて販売に使っているのです。こういった企業を“ファブレス企業”といいます。代行業者を使えば、当然手数料はかかりますが、それ以上に収益を上げやすくなるのです。

当社でも代行業務をしていますが、自分に合った代行業者をじっくりと比較し選ぶことをお勧めいたします。

代行業者は、米Amazonの販売ノウハウや実績があるかどうかをチェックします。さらに、輸出手続きのスピードやアフターフォローなどのサポート体制がしっかりしている業者を選ぶといいと思います。

注意点は、安いからといって、サポートが不足している業者を選ぶと、後で苦労することになります。例えば、英語の税関書類を自分で作成する羽目になります。また、多くの代行業者は梱包作業や米Amazonでの納品手続きはしてくれません。代行業者がどこまでの作業をしてくれるのかが重要です。

代行業者に委託して、しっかり時間を節約し、その時間を商品リサーチに使うこと。それが最重要ポイントと言えます。

利益ゼロでも消費税還付で10%は利益が出る

「消費税還付」とは、支払った消費税が受け取った消費税よりも多くなったときに、還付金を受け取れる仕組みのことを言います。まず、消費税の仕組みから確認しておきましょう。2021年10月現在、日本の消費税は10%です。商品を販売するときと仕入れるときの両方で、消費税がかかります。よって、この2つの消費税の調整を行う必要があります。これが消費税還付です。消費税還付は、次の式で表すことができます。

受け取った消費税 ― 支払った消費税 = 納める消費税

この式から、消費税還付の金額を計算できます。

米Amazon輸出ビジネスの場合、日本で仕入れるため、日本の消費税を支払って商品を仕入れます。そして、アメリカで商品を販売することになります。この場合、もちろんアメリカ人からは日本の消費税を受け取りません。

納める消費税を計算するために、先ほどの式に当てはめます。アメリカでの消費税はゼロなので、「0」を入力します。

0 ― 支払った消費税 = 消費税還付額

仕入れる際に日本でかかった消費税の総額が100万円だとしたら、100万円が還付されます。当然もっと売上が増えたら、消費税だけで1000万円以上戻ってくることもあります。消費税還付は、必要以上に消費税を支払った分が手元に戻ってくるという仕組みです。

この還付金は、商品をアメリカに輸出した時点で受け取れてしまいます。つまり、アメリカで商品が売れる前に還付されるのです。(※厳密には受け取れる訳ではなく、還付金が確定するというものです。還付金自体を受け取るには税務署に申告が必要です)

このように、始めから利益率10%を確保できることは、米Amazon輸出ビジネスが他のビジネスよりも有利な点です。

それに加えて、高品質なメイドインジャパン製品を販売します。そのため、品質が悪いためにまったく売れないということはあり得ません。さらに私の手法では、米Amazonで実際に売れている日本製品だけを仕入れるので、まったく売れずに在庫として残る心配は不要なのです。さらに、利益ゼロで販売しても、消費税還付で10%の利益は出るのです。

一方、残念ながら、輸入ビジネスではこの消費税還付がまったく受けられません。それどころか、消費税を納税する必要があります。この点だけでも、輸出ビジネスが輸入ビジネスよりも有利だと言えるでしょう。

この消費税還付の仕組みのおかげで、当社の米Amazon輸出スクールの生徒さんたちは、平均で25%の利益を上げています。商品販売による15%の利益に加えて、消費税還付の10%が得られるからです。あらゆる物販のなかでもかなり高い水準である25%という利益率をキープしています。また、利益率は継続するモチベーションにも大きく関わってきます。その意味でも、きちんと利益を得ることはとても大切です。

著者:竹中重人

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