もみじの色が赤く染まる秋の風景は、写真におさめたくなりますね。
笠岡市内には紅葉がきれいな場所が多くあり、笠岡市の名勝「応神山」にも、小路を登りながら美しい紅葉を楽しめる場所が存在します。
それは「ひと・もの・こと」の縁を結ぶ白雲大社です。
10月下旬、白雲大社の参道のもみじが、秋の到来を知らせるように色づき始めました。
その紅葉を楽しんでもらいたいと、白雲大社では2018年からもみじ祭りを開催しています。
2022年にはもみじ祭りから「もみじ詣」となり、結日和(むすびより)のマルシェや、奉納ジャズコンサート、奉納和太鼓、みんなでかさおかの市も開催されます。
この記事では、白雲大社の巡り方や、もみじ詣・もみじ祭りの紅葉スポットやイベントについて紹介します。
そして、美しい紅葉の写真もピックアップしました!
季節の移り変わりを楽しめる白雲大社のもみじ祭りとは
笠岡市の応神山宮地に昭和20年から鎮座する白雲大社は、「縁結び」と「傷病平癒」において御力を持つとされ、地元の人はもとより日本全国に信者が多くいる神社です。
鎮座する場所が応神山宮地ということもあり、境内と参道にある木々や花などで四季の変化を感じられると評判。
春は梅から桜、そしてツツジに藤(ふじ)へと、季節の緩やかな移り変わりをじっくりと味わうことができます。
夏には木々の新緑から力強い生命を感じ、秋には風情豊かな日本ならではの紅葉を堪能する、まさに1年を通じ和を感じ楽しむ場所、それが「笠岡の出雲さん」白雲大社です。
白雲大社内の参道脇にはたくさんのもみじがあり、10月下旬から12月初旬まで赤く色づくようすを撮影できる、知る人ぞ知る紅葉のスポット。
2019年のもみじ祭りでは、着物の着付けを体験する「着物イベント」、「写真モデル体験」、「お茶席」、「きりこ体験 ワークショップ」などが開催されました。
2020年は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、残念ながらイベントは中止になりましたが、色づくもみじを楽しんでもらいたいともみじ祭り自体は開催されます。
2020年のもみじ祭りのポイントは、もみじをあしらえた期間限定御朱印と、11月14日・15日・21日・22日・23日の紅葉のライトアップ!
2021年のもみじ祭りは、「映画音楽コンサート」「備中神楽(びっちゅうかぐら)」「祈りのろうそく」のイベントが開催されました。
2022年は「もみじ詣」となり、11月3日(木)には、結日和(むすびより)のマルシェでにぎわい、奉納ジャズコンサートや奉納和太鼓、みんなでかさおかの市も白雲大社で行われます。
恒例となった紅葉のライトアップもあり!
日が沈んでからのライトアップは幻想的な風景になりそうですね。
「工夫を凝らしたもみじ詣にぜひともお越しください」と、白雲大社のみなさんが話していました。
白雲大社 もみじ祭りを楽しむ前に拝殿で参拝を
紅葉が美しい参道を上る前に、まずは拝殿で参拝をしましょう。
拝殿までの進み方を紹介します。
石段を登り拝殿へ
白雲大社の駐車場は全部で6箇所あり、最初にたどり着く駐車場がスタート地点です。
この駐車場に車を停めたとして、紹介していきます。
▼駐車場から出てすぐ右手の坂道を上りましょう。
▼休憩所「和(なごみ)」の左手にある石段を上がり、拝殿へ向かいます。
そして鳥居をくぐると、拝殿がある境内です。
新しい参拝方式について
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、参拝方式が従来とは一部変わっています。
参拝・その他の注意事項は、掲示されている案内で確認してくださいね。
拝殿での参拝の仕方について、宮司さんに聞きました。
以下の順番で参拝してくださいということです。
手水で清める ↓ 祓社(はらえしゃ)で拝礼 ↓ 拝殿に参拝
これにならって拝殿で参拝をしてから、もみじを拝観しましょう。
宮司さんによると、祓社がある神社は少ないそうです。
出雲大社には祓社があるということで、近年そちらからお参りに来られるかたが増えていると、宮司さんは話していました。
紅葉と景観を楽しめる白雲大社の巡り方
それでは、紅葉を存分に堪能する白雲大社の巡り方を紹介します!
なお、巡り方で掲載している写真は2020年10月30日に撮影したものなので、まだもみじが色づいていません。
11月中旬から下旬が一番の見頃です。
▼拝殿左横の社務所に紅葉スポットの案内図があります。社務所に行って声をかけて案内図をもらってくださいね。
美保ゑびす宮は最初の紅葉スポット
拝殿の右手にある「美保ゑびす宮」からスタートするのがおすすめです。
拝殿の裏を通ります。
少し狭い通路を、奥に進むと美保ゑびす宮が現れますよ。
▼美保ゑびす宮の左手には、鯉が優雅に泳ぐ池。
洗心池(せんしんいけ)の上のもみじが赤くなると、水面に赤いもみじが映り写真映えしそうです!
日御碕宮(奥宮)の鳥居をくぐり、神行神魂社へ
奥宮の日御碕宮(ひのみさきぐう)へ行くためには、奥宮の入り口である鳥居をくぐって参道を上ります。
令和の絵馬は、2019年の応神山大国祭りにあわせて、フラワーアートディレクターの萬木善之(まんき よしゆき)さんが作成したもの。
萬木さんは、フィギュアスケートの大会で選手に贈るメダリストブーケを担当など、国内外で活躍されている笠岡市在住のフラワーデザイナーです。
▼参道の脇にはもみじがあり、撮影スポットです。
▼右に進むと神行神魂社(しんぎょうかもすしゃ)、左に進むと日御碕宮(奥宮)です。
神行神魂社を目指し、右の参道を進みます。
▼鳥居をくぐると参道を挟むようにもみじがあり、いいショットが撮れそうです。
▼苔むす参道、雰囲気いいですよね。
▼神行神魂社に到着!
紅葉は神行神魂社までの参道脇で楽しめます。
ここまで来たら、日御碕宮(奥宮)にも行ってみましょう。
日御碕宮(奥宮)から月宮へ
日御碕宮(奥宮)までもう少し。ついでに月宮にも行ってみましょう。
▼雰囲気のある参道ですね。
▼途中には天水鳥居。
▼そのまま進むと日御碕宮(奥宮)が見えてきます。
▼最後のポイント、月宮へ。
▼月宮に到着しました。
▼月宮の右側には、幻の滝があります。
水が流れている滝に遭遇できたらラッキーかも!
参道を上り月宮までたどり着くまでは、結構な時間がかかります。
しかし、紅葉を見ながら写真を撮りつつ上っていくと、そう時間がかかる感じはしないので、月宮まで上るコースをおすすめします!
下りの参道でも紅葉を楽しむ
もみじも違った角度から写真に撮ることができますよ。
▼いろいろな角度から景色を楽しんでください。
▼紅葉を楽しみながら拝殿まで下ると、笠岡を一望できるスポットへ。
▼白雲大社の鳥居から見える気持ちいい景色。
紅葉の季節以外でも、ほっと一息つきたいときに訪れてほしいスポットです。
和(なごみ)でひといき
参道の歩きで疲れたら、このみ会館にある休憩室 和(なごみ)で一息つくのもよいでしょう。
休憩室 和(なごみ)は、だれでも利用可能です。
利用時間は午前10時から午後4時まで。
時間帯によってはセルフ方式になることがあるとのことです。
白雲大社のイベントと紅葉ショット
2020年と2021年のもみじ祭り、2022年のもみじ詣期間のようすを紹介します!
2022年もみじ詣
2022年のもみじ祭り期間のイベントのようすです。
▼2022年11月3日の午前11時から午後3時まで結日和(むすびより)のマルシェが開催されました。
▼2022年11月3日午後5時から6時で開催された、元タカラジェンヌ響妃(ひびき)さんとオルガニストの鈴木 泉(すずき いずみ)さん、そしてサックス 横山功一(よこやま こういち)さんによる奉納 ジャズコンサート。
11月20日(日)にはみんなでかさおかの市、11月23日(水)は岡山龍谷高校太鼓部のみなさんによる奉納 和太鼓が行われます。
2021年もみじ祭り
2021年のもみじ祭り期間のイベントと紅葉のようすです。
▼2021年11月13日午後5時30分から開催された、響妃さんと鈴木泉さんの映画音楽コンサート。
▼2021年の紅葉です。
▼笠岡門前街おこし会の協力で開催した「祈りのろうそく」のようす。
▼奉納「備中神楽」のようすです。
2021年のもみじ祭りは、イベントが復活しました。
コロナ対策をしっかりとして、多くの人がイベントを楽しんでいましたよ。
2020年もみじ祭り
2020年のもみじ祭り期間の紅葉のようすです。
▼ゑびす宮の紅葉。
▼参道の紅葉。きれいに色づいています。
白雲大社のもみじは、11月中旬から下旬にかけてが一番きれいです。
日本ならではの秋の風景。
参道をゆっくりと上りながら、黄色や赤色に染まったもみじを見ていると、心が落ち着き、癒やされていく気がしますよ。
ライトアップされた紅葉は必見
2021年11月13日と14日、そして11月20日から23日の土日・祝日には、紅葉がライトアップされます。
ライトアップは午後6時に点灯開始。午後8時までは拝観できます。
入場は午後7時30分までなので、余裕をもって白雲大社に行ってみましょう!
▼2021年のライトアップされた紅葉です。
新しい生活様式のなか、多くの人に紅葉を楽しんでもらいたいともみじ祭りを開催する白雲大社の宮司、堀 泰典(ほり たいてん)さんに、もみじ祭りを開催するようになった経緯や見どころ、その他のイベントについて尋ねました。
インタビューを読む
白雲大社宮司 堀 泰典さんインタビュー
白雲大社の宮司 堀 泰典さんは、にこやかな笑顔と静かな語り口で、もみじ祭りについていろいろと話してくれました。
もみじ祭りを始めたきっかけは開祖の言葉
──なぜもみじ祭りを開催しようと思われたのですか?
堀(敬称略)──
見ていただいたらおわかりのように、白雲大社にはもみじが多いんですね。
このもみじについて開祖が、「ここはいつかもみじ谷になる」と言われていたということを、古くからの信徒さんに数年前お聞きしました。
それまでは、あまりもみじを意識していなかったのですが、開祖の言葉のような「もみじ谷」を作れば、多くの人に見てもらえるのではないかと思ったんです。
それから京都の著名な庭師さんにアドバイスをいただいて、徐々に参道の整備を始めて、2018年に「もみじ祭り」の開催をスタートしました。
1回目のもみじ祭りは初めてのことでもあり、たくさんのかたに来ていただけたというものではなかったんです。
しかし、2回目はイベント全般の計画をサポートしてくださるかたや、イベント参加者のみなさんのご協力をいただき、おかげさまで多くのかたに来ていただけるイベントになりました。
2020年で3回目になるもみじ祭りは、新型コロナウイルス感染症のことを考えて、イベントは中止することに決定しましたが、やはり紅葉は見ていただきたいのでもみじ祭り自体は行うことにしたんです。
ライトアップがもみじ祭り2020のポイント
──2020年もみじ祭りのポイントは何でしょうか?
堀──
夕方から紅葉をライトアップしますので、このライトアップ期間にお越しいただけると、幻想的な風景を楽しめると思います。
番傘などの小物を使ってライトアップを工夫していますので、写真を撮りに来ていただきたいですね。
11月14日から23日の間、土日祝日の午後5時30分からライトアップをする予定です。
また、もみじ祭り期間限定の御朱印を用意しています。
白雲大社のもみじがポイントの御朱印なので、ぜひこの機会に。
イベントで笠岡に賑わいを
──もみじ祭りのほかにも、いろいろなイベントを開催されていらっしゃいますね。
堀──
白雲大社では、年間を通じて多くの神事や大祭を行っています。
イベントとしては、4月に開催する「応神山大国祭り」が大きなものです。
応神山大国祭りは、毎年4月の第3日曜日に執り行う春季御大祭を奉祝した神賑わいとしての行事です。
年齢に関係なく白雲大社境内で楽しく過ごしてもらおうと、実行委員会がいろいろな企画を立てて運営してくれました。
2019年には、ご当地ヒーロー「超兵士応神」のショーや、フラワーアートディレクター萬木善之さんの「花の大絵馬&トークショー」も行いました。
また、防災士の村上浩司さんに来ていただいて「いざという時に役立つ話」についての講演もしていただきました。
「神社でイベント?」と思われるかたもいらっしゃるのですが、このようなイベントを通じて、笠岡に賑わいを起こしたいという気持ちから、毎年イベントを開いています。
笠岡にもっと賑わいを、というのが私の願いなんです。
「ひと・もの・こと」の縁を結ぶ神社へ
──白雲大社に来られるかたへメッセージを
堀──
白雲大社は、昭和10年に開祖が「このみ教」を開いたのちの昭和20年に、ご神示によってここ笠岡にご鎮座しました。
歴史自体は、他の神社さんから比べると浅いのですが、鎮座以来「ひと・もの・こと」の縁を結ぶ神社として、多くのかたに参拝していただいています。
とくに「ひと」を結ぶという部分では、いろいろなかたから感謝の声が届いているんですよ。
お守りや御札も用意していますので、景色を堪能していただいたあとに社務所で見てください。
白雲大社の「縁むすび」で良縁を引き寄せてもらえるのではないかと思います。
七五三など、人生のなかでの節目に参拝していただくのはもちろんですが、特別なことがなくても、気軽に境内に来ていただければありがたいなあと。
あとは、季節ごとの風景を白雲大社では感じることができますので、写真が好きなかたにも訪れていただきたいですね。
まだまだ、手入れが十分でないのですが、ある位置から眺めると「海・山・町」が絶妙な構図で見える「三景閣」という場所もあるんです。
2021年には「三景閣」も整備して、みなさんに楽しんでもらえたらと考えています。
笠岡も昔と比べると大きく変わった部分もあり、変わらない部分もあります。
ただ、人の数は減っていき、昔と比べると賑わいがなくなったように感じることが多くなりました。
白雲大社が、今後笠岡の地で果たす役割のひとつとして、賑わいを作ることがあるのではないかと考えているんです。
そのために何ができるのか、何をするべきなのかを見据えた上で、白雲大社ならではのものを作り上げていきたいですね。
そして、白雲大社に来ていただいたかたの心が少しでも軽くなり、前向きに日々を過ごすことができるお手伝いを、今後もできたらと思っています。
秋を感じ、和を感じる白雲大社でひとときの癒しを
白雲大社の境内に足を踏み入れると、目の前に広がる応神山。
もみじが色づいた参道を、一歩一歩上っていくうちに、だんだんと癒やされていくような気持ちになります。
広い境内にはさまざまな木々があり、四季の移り変わりをダイレクトに感じることができる場所です。
「ひと・もの・こと」の縁を結ぶ神社、白雲大社。
筆者も白雲大社に数年前から訪れるようになり、多くの人と知り合うことができました。
もみじが色づき始めましたが、秋を目で楽しめる期間は短いものです。
秋と和を感じることができる白雲大社のもみじ祭りに、ぜひ出かけてみてください。