マイクロンメモリジャパン広島工場 最先端半導体メモリー量産開始へ 米 駐日大使も期待

アメリカの半導体大手マイクロンテクノロジーの子会社、マイクロンメモリジャパンの広島工場で世界最先端の半導体メモリーの量産が始まります。16日のセレモニーには、アメリカのラーム・エマニュエル駐日大使も出席し、この工場への期待を示しました。

マイクロンメモリジャパンの広島工場では、パソコンやスマートフォンなどに使われる「DRAM」と呼ばれる半導体メモリーを製造しています。

広島工場では世界最先端の半導体メモリー「1ベータDRAM」が開発されました。従来より高性能でしかも消費電力が少ないといい、車の自動運転技術での活用も期待されています。

量産体制も整ったことから、広島工場で16日、記念のセレモニーが開かれました。セレモニーには広島県の湯崎知事のほか、アメリカのラーム・エマニュエル駐日大使も出席しました。

広島県 湯崎英彦 知事
「広島で開発と最先端の製造をぜひ続けていただきたいと思います」

エマニュエル大使は、「世界の半導体と製造業にとって画期的な開発。この広島工場は日米関係にとっても重要なものだ」と話しました。

日本政府は、広島工場に対して最大465億円の助成金の交付を決定。広島工場では、「1ベータDRAM」の製造能力をさらに強化していくとしています。

また、16日、マイクロンテクノロジーのナンバー2に単独インタビューをしました。広島工場の役割やねらいなどを聞きました。

小林康秀 キャスター
「まず、この新しい半導体によって、どんなことができるのか簡単に教えていただきたい」

マイクロンテクノロジー マニッシュ・バーティア エグゼクティブ・バイスプレジデント
「1ベータDRAMは『開発』と『生産』をこの広島でやっていて、本当に最先端なんです。韓国などの競合他社よりもわれわれは1年先を進む技術なんです。これは、パソコンやスマートフォン、データセンターなどで使われていて、その性能を上げたり、電力消費が少なくなったりして、信頼性を向上させることができます」

マイクロンでは、この10年間で広島工場に130億ドル以上をつぎ込んできたといいます。

マイクロンテクノロジー マニッシュ・バーティア エグゼクティブ・バイスプレジデント
― マイクロンにとって広島の位置づけは?
「広島の設備は、DRAMのセンター オブ エクセレンス(組織の中核をなす研究拠点)という意味を持っている」

「マイクロンとエルピーダが10年以上前に1つになって以降、強い協力体制で進めています。大規模な生産設備もあり、研究開発のエンジニアと生産側のエンジニアが力を合わせて、スピーディーに今回の1ベータDRAMを作ることができたのです」

― マイクロンは、世界6か国に生産拠点があるが、日本では広島工場だけです。マイクロンの中でも重要な拠点。国内では4000人以上が働いていて、過去5年間に1500人以上を新規で採用してきました。雇用面に加え、人材教育で大学と連携するなど広島にとって大きな影響があります。

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