秦野の井戸水から有機フッ素化合物  市内初、目標値4倍

神奈川県庁

 神奈川県は16日、秦野市末広町の井戸水から「PFOS」など人体に有害な有機フッ素化合物が国の暫定目標値の4倍検出されたと発表した。原因は分かっていない。同市内で採取した水から暫定目標値を超える有機フッ素化合物が確認されたのは初めてという。

 県によると、採水した井戸は個人が管理し、飲み水には利用されていない。10月に委託業者が採水して分析したところ、PFOSとPFOAの合算値で1リットル当たり200ナノグラムの濃度が検出された。国が定める暫定目標値は同50ナノグラム。

 この井戸の周辺500メートル以内にはほかに3カ所の井戸があり、市と連携して住民らに飲用しないよう呼びかけるほか、3カ所の井戸水も水質調査を実施し、汚染範囲の把握に努める。

 2020年に環境省がPFOSとPFOAを「要監視項目」に追加したことを受け、県は水質汚濁防止法で県の管轄となる23市町村37地点の水質を22~23年度にかけて調査している。

 秦野市末広町の井戸は37地点のうち、22年度に調査対象となった19地点のうちの一つ。残る18地点は分析中で、結果は判明していない。

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