ドラッグストアチェーンのカワチ薬品(小山市卒島、河内伸二(かわちしんじ)社長)は、野菜や果物の取扱店舗を拡大し、身近な商品をまとめ買いできる店舗機能を強化している。同業他社の出店加速による狭小商圏化に対する営業戦略の一環。新規出店の店舗では調剤薬局の併設を進め、ドラッグストアとしての専門性も高める考えだ。
ドラッグストア業界は、同業他社に加え、スーパー、コンビニエンスストアとの競合もあり、これまで以上に集客力が求められている。このため同社は、2020年3月期から商品拡充として精肉の取り扱いを開始した。取扱店は現在164店舗に拡大している。
さらに22年3月期から野菜の販売を20店舗で開始。23年3月期は上期だけで44店舗が導入し、下期はさらに61店舗を増やす。
店舗で取り扱う青果物は当初、ジャガイモや、ニンジンなどの根菜類を中心とした野菜、バナナなどを販売していた。売り上げが好調なことから売り場を拡大。キャベツ、ネギなどの葉物野菜やリンゴ、ミカンなどの果物も増やしていく考え。
店舗開発部長の大久保勝之(おおくぼかつゆき)取締役は「(青果物の)売り場を拡大した店舗は売り上げが増えている」と説明する。
また、中期的な計画として、ヘルスケア分野を中心に低価格志向のプライベートブランド商品を増やし、売上比率を現在の5%から8%へ引き上げる方針。
調剤薬局については、既存店に併設していく従来の戦略に加えて、今期からは新規店舗への併設も進めている。上期1店舗だった調剤薬局併設の新規店舗は、下期6店となる予定。
大久保取締役は「専門性の強化を図り、固定客率を高めていく。(薬剤師による)在宅(訪問)なども進め、より高度化していく」と展望する。