那覇軍港での米軍機の離着陸、可否は「白紙」 知念那覇市長、「容認せず」転換

 10月の沖縄県那覇市長選で初当選した前副市長の知念覚氏(59)が16日、市長に就任し、4年の任期をスタートさせた。記者団の取材に応じた知念氏は、オスプレイなど米軍機の離着陸は那覇港湾施設(那覇軍港)の現有機能に含まれないとしてきた市の見解を踏襲するか問われ「全て白紙の状態でいく」と述べ、再検討する考えを示した。

 知念氏は那覇市長選の立候補予定者を招いた本紙の座談会で、那覇軍港への米軍機飛来について「到底容認できない。5.15メモが厳格に運用されるべきだ」と述べていたが、発言を翻した。

 知念氏は「防衛局は現有機能の範ちゅうと言っているが、その根拠は何か、自分の耳で聞いて判断したい」とした。城間氏の姿勢を引き継がないのかという質問に対し「城間市長には市民生活や(民間)航空機の離着陸に影響があるという認識もあったと思う。そのあたりがどう調整されたのか、(防衛局などの)言い分を聞き、自分の判断をしていきたい」と述べた。

 県が陸上輸送を促していることにも触れ「果たして可能なのかという疑問が私自身に湧いてきている。日本本土の修理基地でできないのかとか、いろんな疑問点についてまず防衛局の話を聞く」とした。

 知念氏は同日午前、職員に訓示し「役所は市民の人生に寄り添うサポーターであることが使命だ。皆さんの仕事が市民にどう関わっているのかを認識して励んでほしい」と呼び掛けた。 (伊佐尚記)

© 株式会社琉球新報社