【全国初】市街化調整区域の特区制度 兵庫県が建築規制緩和で空き家活用と移住促進

兵庫県の市街化調整区域の特別指定区域制度による空き家の有効活用に関する条例が、令和4年度から全国で初めて施行され、注目を集めています。

今回は、新しい条例が全国各地の空き家問題や、地方移住の促進に与える影響と市街化調整区域に移住するメリットとデメリットをまとめます。

市街化調整区域で建築許可をとるのは難しい

限界集落に来て、法律や政治の問題に直面している。都市計画法の市街化調整区域や漁業権、消防法。地方創生と言いつつ、田舎の活性・魅力化に支障をきたすものばかり。政治が変わらないと田舎は変わらない。田舎をないがしろにし続ける時代が続くと、SDGsに逆行するし、世界からも見放されるばかりだ。

— ふーちゃん|地方移住ブロガー (@fuuchannext) September 25, 2021

移住した山口県光市室積の伊保木地区は、都市計画法の線引き制度により、市街化調整区域に区分されています。

長年厳しい建築制限が行われた影響で、人口減少と高齢化に歯止めがかかりません。

線引き制度は、都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域に区分するものです。

都市計画法は1968年(昭和43年)の制定からすでに50年以上経っています。

制定時の目的は、開発行為を抑制し、自然環境や農業の生産環境の維持や、無秩序な市街化を防止することでした。

各地の市街化調整区域では、厳しい建築制限が行われ、企業や飲食店などの出店に規制が続き、過疎や、空き家の増加が社会問題となっています。

市街化調整区域に移住したメリットとデメリット

市街化調整区域にある限界集落で暮らすメリットとデメリットをまとめました。

【市街化調整区域で暮らすメリットとデメリット】

【メリット】
●市街地が近く買い物や生活が便利
●下水道料金がかからない
●豊かな自然が残る

【デメリット】
■新築が困難で人口減少と高齢化が進む一方
■ケーブルテレビの回線がない
■へき地でテレビの電波受信環境が良くない
■下水道がないため浄化槽か簡易水洗のくみ取りになる

正直、さほど不便を感じることはありません。

やはり、住居の新築が基本できないので、住民の高齢化が進み、若い世代は地域から離れ、地域の活力が失われてしまいます。

市街化調整区域の特徴と調べ方

移住希望の方は、田舎暮らしを希望する地域が市街化調整区域であるかないかは、必ず確認してください。

市街化調整区域であれば、「古民家カフェをやりたい」と思って移住しても、規制で実現できず後悔してしまう結果になるかもしれません。

現状の市街化調整区域のままであれば、高齢化と人口減少に歯止めがかかる見込みがありません。

都市計画法の区域区分を確認する方法は

__①自治体の都市計画課に問い合わせる
②インターネットで検索する
③不動産会社で確認する__

の3通りがあります。

一番確実なのは、自治体の担当部署に電話連絡して確認する方法です。

インターネットで「自治体名+市街化調整区域」で検索すれば、上位に該当が出ます。

不動産賃貸や売買の物件資料で確認できることもあります。

兵庫県は市街化調整区域の特別区域指定制度で空き家問題の解決図る

引用:兵庫県HPより
兵庫県では令和4年度から、空き家を移住や、関係人口の拡大につなげるため、市街化調整区域などに特別区域指定制度(特区)を設けて、規制緩和を図る条例を施行しました。

背景には、人口減少や空き家数の増加に対する危機感があります。

それに伴い、県内の対象の市街化調整区域で、除却跡地などで建築が可能になり、子育て世代や、カフェ、事務所などの新規建築が可能になります。

特別指定区域制度は、条例に基づき、住民主体で組織するまちづくり協議会が、地域の課題を解決する土地利用計画を作成します。

自治体が、その土地利用計画に基づき区域指定を行います。

市街化調整区域であることなどが理由で、今まで家が建てられなかった地域の活性化につながる期待がかかります。

日ごろニュースで耳にする、限られた場所で認められる経済特区とは性質が異なります。

自治体に認可権限がある場合が多く、市街化調整区域で運用が認められる可能性が高くなっています。

【まとめ】市街化調整区域は生活がしやすいメリットも 特区制度の拡大に期待

市街化調整区域は、法律の性格上、多くが市街化地域と隣接しています。

病院、学校、店舗がそろったスーパーなどに近いのが特徴です。

市街化調整区域の限界集落で暮らす私も、車で4〜5分走れば市街化区域です。

そのため、車かバイクを運転できれば、生活に特に困らず便利な田舎暮らしができます。

移住適地でもあり、今回の条例を活用できれば、移住促進につながる可能性を大いに秘めているといえます。

移住後、山口県内の周南市の市街化調整区域でも、同じ課題があると聞きました。

同様の条例が制定、施行されれば、全国各地の移住地で集落維持につながるため、機運の高まりに期待したいです。

【経歴】広島県生まれ。関西学院大学卒業後、新聞社や不動産管理会社に勤務。田舎の温泉に10年通うなかで田舎暮らしに魅力を感じ、2021年7月に、夫婦で山口県光市の限界集落に地方移住。Twitterや

移住ブログ『温泉おたくのち夫婦移住

で移住や田舎暮らしに役立つリアルな情報を発信中。2022年2月電子書籍

「失敗しない!1年で地方移住・田舎暮らしする方法」をAmazonKindle出版

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