コロナ流行「第8波の可能性」 岡山県知事 ワクチン接種呼び掛け

新型コロナウイルス対応を協議する岡山県の対策本部会議

 岡山県の伊原木隆太知事は17日、新型コロナウイルス感染症の新規感染者が急増していることを踏まえ、県内が流行「第8波」に入った可能性が高いとの認識を示した。県は季節性インフルエンザとの同時流行を見据え、医療提供体制の強化を決定。県民に対して早期のワクチン接種などを求める知事メッセージを発表した。

 伊原木知事は県庁で開かれた対策本部会議後、報道陣に「後から振り返れば、今が第8波の入り口だったと評価する可能性が極めて高い」と説明。感染対策の行動制限についても「ちゅうちょして状況が悪化してはいけない。必要であれば出す」と述べた。

 県内では10月下旬から新規感染者数が増加。直近1週間(9~15日)は7838人で前週(3~9日、6425人)から2割増え、医療の逼迫(ひっぱく)度合いを示す病床使用率も31.8%と前週(22.6%)の1.4倍になった。いずれも第7波の急拡大期に当たる7月中・下旬と同じ水準という。

 対策本部会議では、発熱外来を備えた医療機関数を31カ所増やして646カ所とし、年末年始を含めた休日診療体制の確保に努めることを決めた。高齢者施設でのクラスター(感染者集団)防止に向けた施設スタッフの集中検査対象を拡大し、現在の入所施設に加えて通所や訪問系の事業所で行うことも申し合わせた。

 知事メッセージは、場面に応じたマスク着用をはじめとする感染対策の徹底▽発熱に備えた抗原検査キットや解熱薬の購入▽コロナとインフルエンザのワクチン早期接種―の3点を呼びかけている。知事は会議後「年末年始にかけて大きな波が来ることはほぼ間違いない。どれくらいの流行になるかはわれわれの数週間の行動次第だ」と語った。

新型コロナウイルス対応について報道陣に説明する伊原木知事

© 株式会社山陽新聞社