定期的に公開学習 富田中、教員の指導力向上へ

富田中学校で公開された研究授業。英語科では、生徒が英語で和歌山について紹介した(和歌山県白浜町栄で)

 和歌山県白浜町栄の富田中学校は、教員向けの校内学習会を「オープンセミナー」と題して公開型で定期的に開催。集まった他校の教員と共に学びを深めている。木村慶校長は「学校の取り組みを外部のさまざまな人に見てもらうことで、先生たちの意欲向上につながっている」と話している。

 校内学習会は、多くの学校が毎年テーマを設定して取り組んでいるが、それを公開している学校は珍しいという。教員数が減少傾向にある中、外部の意見を取り入れやすくすることで、教員の指導力向上に役立てるなどの狙いがある。

 このほどあった校内学習会は、本年度の研究テーマの一つ「主体的な学習に取り組む態度」について国語、社会、理科、美術、英語の各担当教員が授業を公開。白浜町内や近隣市町の教員だけでなく、和歌山市や御坊市の教員も訪れた。

 英語は、1年生と3年生が合同で実施。3年生が和歌山県の魅力を英語で発表し、1年生がそれを聞き取った。生徒同士の英語によるコミュニケーションを授業の中心に据え「参加型」にすることで、生徒の主体性を引き出す指導を試みた。

 研究授業の後は、見学した教員と共に事後検討会を開いた。前半は教科ごとのグループで具体的な授業内容について意見を交換した。後半は異なる教科担当で5~6人のグループをつくり、生徒の主体的な態度を高めるための工夫や課題などをそれぞれの学校の事例を交えながら話し合った。学級・学年の運営方法、職場環境、個人の働き方などについても話題にした。

 同校では、今後も若手教員の育成も兼ね、授業研究に力を入れていきたいとしている。

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