東商デパート 接客で笑顔広げたい 19日、岡山 初コンテストに気合

「東商デパート」に向けて看板を製作する生徒たち

 岡山東商業高(岡山市中区東山)の生徒が授業で学んだ知識を生かす恒例のマーケットイベント「東商デパート」が19日、北区北長瀬表町の岡山ドームで行われる。29回目の今年は「商業達人CUP」と銘打ち、接客態度や利益を競う3年生のクラス対抗コンテストを初めて導入。生徒は「お客さんを笑顔にできるサービスを提供したい」と気合十分だ。

 1~3年生のクラスごとを中心とした26店が食べ物や雑貨、企業とコラボレーションしたタオルなどを販売する。コンテストには3年生の7クラスが参加。明るい表情で丁寧な接客ができているかをはじめ、利益、身だしなみの清潔感、商品説明のポップや看板の分かりやすさといった観点から同高教諭らが審査して表彰する。

 コンテストに向け、生徒たちは商品の仕入れ先業者を選び、店のコンセプトなどをまとめた企画書を作成。商業施設での店舗づくりや人材教育を専門とするコンサルティング会社の代表から、来店者に圧力をかけないよう目を見て「いらっしゃいませ」と言わない▽お客が商品に興味を示した時に声をかける▽多くの商品を見てもらうため、目玉はレジから離れた場所に置く―などのポイントを学んだ。

 プリンやカステラを販売する3年人見有咲さん(18)は「1人のお客さんに複数で対応せず、笑顔の接客を心がける。看板は目立つようにして、商品の魅力もしっかりPRしたい」と意気込む。

 東商デパートは生徒が仕入れから販売までを手がける。企画、コミュニケーション、接客といった幅広い力を身に付けられ、学びの集大成に位置付けられている。ただ「店員としての接客は十分とはいえず、模擬店のようになってしまう」(同高教諭)との課題があり、より質の高いサービスを届けるためコンテストを企画したという。

 新型コロナウイルスの感染が拡大した2020、21年と入場制限を設けたが、今年は制限しない。午前10時~午後2時半。コロナ禍前の19年は約8千人が来場した。

 看板の製作など準備作業は終えており、統括する3年阿部美晴さん(18)は「自分たちの接客でドーム全体に笑顔が広がる一日にしたい」と話している。

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