認知症が進んだ高齢者、高額商品を次々購入… 「法定後見制度」手続きしておけば、契約取り消しも【教えて!相談員さん】

認知症が進んだ高齢者、次々と高額商品を購入…

 消費生活センターに寄せられる相談の中には、認知症が進行した高齢者が次々と高額商品を買ってしまったという事例があります。加齢や認知症などにより意思能力(自分の行為の結果を合理的に判断できる能力)のなくなった人がする契約は無効ですが、その証明が難しいのが現実です。

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 法務省は意思能力が十分でない人を保護し、支援するための制度として、成年後見制度を設けています。制度は2種類あり、本人の判断力が低下した際に、本人や家族等の申し立てにより、家庭裁判所が支援する人を選任する法定後見制度と、判断力が十分な間に、将来誰にどのような援助を依頼するかをあらかじめ契約で決めておく任意後見制度があります。

 法定後見制度の手続きをしておけば、加齢等による判断力の低下を不当に利用されて行った高額な契約を取り消せます。

 1人暮らしの高齢者が増えるなか、日頃からコミュニケーションを取りトラブルに遭っていないか周りの人が気を配ることも大切ですが、支援するための制度もうまく利用しましょう。

 福井県消費生活センター=電話0776(22)1102、福井県嶺南消費生活センター=電話0770(52)7830。

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