列車内に不審者 乗客をどう守る JR西 新見駅で警察、消防と訓練

刃物を持った不審者への対応などを確認した訓練

 JR西日本中国統括本部(広島市)は17日、列車内の不審者への対応や乗客の安全確保に向けた訓練を新見市のJR新見駅で行った。警察や救急とも連携し、非常時の手続きをあらためて確認した。

 走行中の列車で、刃物を持った男がガソリンをまいた―との想定。JR西や新見署、新見市消防署の社員・署員に、乗客役のボランティアとして新見公立大生を加えた約75人が参加し、実際に構内を走らせて実施した。

 列車には運転士と社員の2人が乗車しており、社員は座席シートを取り外し、盾にして身を守りながら、「火を付ける」とわめく男を懸命になだめた。運転士は車両を緊急停止し、乗客を同駅に避難させるとともに、岡山指令所を通じて警察や救急に通報した。

 この後、警察官が車内に乗り込み、男をホームへ連れ出して取り押さえた。救急隊員は救護に当たり、負傷者を担架で運び出した。

 訓練を終え、「日頃から、こういう事件にどう対処するべきか考えてほしい」と一柳勉新見署長。竹本有喜新見駅長は「乗客の避難に時間がかかった。反省を生かして訓練を重ねたい」と話した。

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