体操エース宮田笙子選手が鯖江高校に凱旋 同級生の花道歩き喜び報告「パリ五輪でより上へ」

同級生らの拍手を受け、花道を歩く宮田笙子選手(中央)=11月17日、福井県鯖江市の鯖江高校

 体操の世界選手権(10月29日~11月6日・英リバプール)の種目別平均台で銅メダルを獲得し、福井県勢初のメダリストとなった宮田笙子選手(鯖江高校3年、鯖江体操スクール)が11月17日、同校に凱旋し、全校生徒約740人に喜びを報告した。初の大舞台にも「自分らしさを忘れず、信じてやり通せた」と振り返り、2024年パリ五輪に向け「個人総合でメダルを取れるよう、質の高い練習を重ねたい」と一層の飛躍を誓った。

 同校第1体育館で報告会が開かれ、日本代表のユニホーム姿の宮田選手は胸に銅メダルを輝かせて登場。同級生約250人が温かい拍手を送る花道を、堂々と歩いた。1、2年生の各教室には報告会の様子がリモート中継された。

 宮田選手は日本女子のエースとして活躍し、団体7位に貢献。個人総合でも8位入賞し、種目別では平均台で「銅」、跳馬で日本女子史上最高の5位入賞と快進撃を果たした。

 平均台決勝の演技は「最終演技者という難しい局面で、緊張で余裕がなくなった」としつつ、「やることをやれば結果はついてくると思った。自分を信じてやれたことが良かった」と分析。団体については「余計なプレッシャーを感じず、チームで思い切って演技できた」と語った。

 今大会を通じ「自分の演技を海外にアピールできた」と手応えを示し、「来年の世界選手権、再来年のパリ五輪でより上を目指したい」と力を込めた。

 報告会では、体操部で苦楽をともにしている長優里さん(3年)から花束を贈られ、あどけない表情ではにかむ場面もみられた。

 同校体操部顧問で、大会に同行した鯖江スクールの田野辺満コーチは、宮田選手の団体での演技について「経験の浅いチームで予選通過も難しいと思われていた中、みんなをよく引っ張った。誰も予想しなかったメダル争いができたことは大きな収穫」と強調。浅井裕規校長は「涙ぐましい努力を重ね、世界で花を開かせたことを誇らしく思う」とたたえた。

© 株式会社福井新聞社