【FIFAワールドカップカタール2022】W杯連覇に挑むフランスが属するグループD。エムベパ、ベンゼマは得点王候補

「FIFAワールドカップカタール2022」のグループDは、前回大会王者のフランス(7大会連続16回目の出場/10月6日付FIFA世界ランキング4位)、オーストラリア(5大会連続6回目/38位)、デンマーク(2大会連続6回目/10位)、チュニジア(2大会連続6回目/30位)という組み合わせ。

2強2弱でフランス、デンマークの決勝トーナメント進出が濃厚というのが一般的な前評判だ。特に、大会連覇を視野に入れるフランスの優位は動かない。19歳で出場した前回大会で4得点を挙げ、優勝の原動力となったFWのキリアン・エムバぺ(パリ・サンジェルマン/フランス)は4年間で、さらに進化。スペースがある際の爆発的なスピード、狭い局面でのテクニックのどちらも最高水準であり、今大会の得点王&主役候補だ。34歳のFWのカリム・ベンゼマ(レアル・マドリード/スペイン)も高い得点力を持ち、昨季のスペインリーグと欧州チャンピオンズリーグで得点王を獲得。今年のバロンドールを受賞し、あらためて自らの価値を示した。何人かの主力が故障で出場できず、エムバペ、ベンゼマと前線でトライアングルを形成するFWのアントワーヌ・グリーズマン(アトレティコ・マドリード/スペイン)が所属クラブで活躍できていないなど不安材料はあるものの、総合力は抜きん出ており、エムベパ、ベンゼマが最後まで得点王を争うことができれば、チームは2大会連続の頂点に立つだろう。

2強の一角であるデンマークは、2021年欧州選手権の初戦でMFのクリスティアン・エリクセン(当時インテル/イタリア、現マンチェスター・ユナイテッド/イングランド)が突如心肺停止に陥るアクシデントに見舞われながらベスト4に進出した。今大会の欧州予選は9勝1敗のグループ1位で突破。しかも1敗も突破が決まった後のもので、8戦目までは27得点無失点と驚異的な数字を残した。その後、エリクセンが復帰したことで、チームの勢い、まとまりはさらにアップ。6月のネーションズリーグでも3勝1敗と好調を維持し、フランスにも勝利した。今大会でもフランスに一泡吹かせる可能性はある。

フランスとデンマークの直接対決の結果がどうなろうと、オーストラリア、チュニジアは厳しい戦いを強いられそう。オーストラリアはアジア予選プレーオフからペルーとの大陸間プレーオフに回り、PK戦の末、出場権を勝ち取った。土壇場で粘り強さを見せたものの、アジア予選では日本とサウジアラビアから1勝も挙げられず力不足を露呈しただけに、苦戦は必至だろう。チュニジアは過去5大会でグループリーグを突破したことがなく、その歴史に終止符を打ちたいところ。アフリカ予選8試合で2失点の堅守がフランス、デンマークの圧力に耐えられるかが鍵になる。オーストラリアは初戦でフランスと、チュニジアはデンマークと対戦。両試合の結果で、前評判通り2強2弱なのか、予想がくつがえる混戦になるのかが見えるはず。

文/佐藤新

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