漁網の大しめ縄 海と生きる島の風情 新上五島・青方神社

漁網を編み込んだ大しめ縄を運ぶ氏子ら=新上五島町、青方神社

 長崎県新上五島町の青方神社(前田哲嘉宮司)は、夏の祇園祭、秋の例大祭、正月に合わせて、鳥居に架かる大しめ縄を作り替える。地元のわらを漁網で編み込んだしめ縄は全国でも珍しく、海と生きる島の風情を感じさせる。
 天気のよい日を見計らい、青方郷内7地区の約30人が朝から作業。「よりの足らんぞ」「しっかり引っ張れ」-。力強い言葉の合間には笑い声も。正午には大中計6本が完成。宮司の妻ら女性たちが作ったちゃんぽん、ヒラスの刺し身などで疲れを癒やす。
 総代長の法村敬一さん(73)は「稲刈りを手伝って、アゴだしちゃんぽんを食べるのもなおらい。年に3回やるのは大変だけど伝統が途絶えないよう継承していきたい」と流れる汗をぬぐっていた。


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