「エネルギー、安定確保を」 東京大・河野教授が講演 佐世保で水素フォーラム

露のウクライナ侵攻を受け「再生可能エネルギーと水素を使い、もう一つのエネルギーの柱を作るべき」と語る河野教授=佐世保市三浦町、アルカスSASEBO

 カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)社会を支える人材の育成などにつなげようと、国立高専機構などは4日、「KOSEN水素フォーラム 2022」を佐世保市内で初めて開催した。
 東京大先端科学技術研究センターの河野龍興(たつおき)教授(56)が講演。ロシアのウクライナ侵攻により化石燃料の供給が削減されている現状から「再生可能エネルギーと水素を使い、もう一つのエネルギーの柱を作るべきだ」と提案した。
 河野教授によると、日本は85%以上を海外のエネルギーに頼り、二酸化炭素(CO2)の排出量は世界5位。水素は自給自足できるエネルギーで、CO2を輩出しない利点があるという。
 仙台市で暮らす河野教授は、東日本大震災でガスなどが利用できず苦しい生活を強いられた経験を紹介。市民生活などのためにエネルギーを安定して確保する「エネルギーセキュリティー」の観点からも「日本が作れるエネルギー源は水素しかない」と必要性を強調した。
 フォーラムには学生や研究者ら約200人が参加。佐世保工業高等専門学校など全国六つの高専生が学習内容を発表する交流会もあった。


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