波佐見焼の廃材再利用で栽培 「八三三米」いかが? 茶わんとセット販売

廃石こう型を土壌改良材に再利用して育てた八三三米と14種類のご飯茶わん=波佐見町鬼木郷、oniwa

 長崎県東彼波佐見町で盛んな波佐見焼の製造工程で発生する廃石こう型を農業用の土壌改良材に再利用して栽培した「八三三米(はさみまい)」が、同町の新たな土産品として“デビュー”する。ご飯茶わんとセットにした「八三三米くらわんかセット」の販売が24日からスタートする。
 新土産品を企画したのは、波佐見陶磁器工業協同組合(同町井石郷)。農業と窯業が基幹産業の「半陶半農のまち」の魅力を生かし、同町観光協会が昨年企画した「陶箱クッキー」に続く第2弾。フードコーディネーターの平尾由希さん(東京)が今回もアドバイザーを務めた。
 石こう型は液状にした陶土を流し込み、器を形成する工程で使われるが、一定回数を使用した後、廃棄物として処理される。同町の推計では年間700トンの廃石こう型が発生するため、再利用による地域内循環の構築を目指している。
 今回、同組合青年部の14窯元がこの企画に賛同し、粉砕された廃石こうを使ったコメ作りに町内の3農家が加わった。
 くらわんかセットは八三三米2合、ご飯茶わん、箸置き、波佐見の郷土料理レシピが付く。14種類のご飯茶わんの柄は「どろんこ」「内外十草(とくさ)」「波佐見ドット」など14窯元が個性的なデザインを施した。外箱は、同町のパッケージ製造販売業「岩嵜紙器」が担当した。
 16日、同町であったお披露目会で、太田一彦理事長は「廃石こう型の問題は二十数年来の課題だった。SDGs(持続可能な開発目標)の流れが後押しになった。さらにリサイクルを進め、次の世代に窯業をつなげていきたい」と話した。
 販売場所は同組合と町観光協会(同町井石郷)。くらわんかセットは2970円。八三三米単品は2キロ千円から。同町のふるさと納税返礼品にも近く採用される。同組合(電0956.85.3003)。


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