芸術で銅座の魅力アップへ アーツ&スナックながさきフェス 18日、19日開催

「芸術文化で歓楽街の体験メニューを増やしたい」と話す平山さん(右)ら=長崎市下町

 歓楽街のスナックなどを巡って文化芸術に触れるイベント「アーツ&スナックながさきフェス2022」が18、19の両日夜、長崎市の浜町・銅座エリアで開かれる。絵画の展覧会からDJライブまでさまざまなジャンルのアートが楽しめ、文化の力で夜の街の魅力向上を目指す。
 フェスは市内でまちづくり活動に取り組む人などでつくる実行委が主催。幼少期に銅座で育った事務局長の平山広孝さん(37)は、銅座のにぎわいを目指して3年前、会員制の“たまり場”を元スナックの店舗につくった。今年7月に別の空き店舗に移って再始動。歓楽街の再生を目指して文化芸術イベントを行う「アーツ&スナック運動」に本格的に着手した。
 同運動はもともと東京・上野周辺での取り組み。「のれん分け」の形となり、日本髪結いの実演や現代美術の展覧会などを7月から定期的に開いてきた。「世代や立場を超えて人と関われる歓楽街は、地域に何かを起こしてくれる」と平山さん。「以前は娯楽もたくさんあった。『飲んで終わり』の雰囲気を変えたかった」

期間中に音楽演奏などの会場になる「おしゃべりTIME」の店内=長崎市銅座町

 フェスは活動の後押しをするために企画した。浜町・銅座エリアのスナックやバー、広場など11会場で、40組以上の出演者が音楽演奏やトークライブ、作品展示などを展開する。
 出演者や地元店舗側も取り組みに期待している。IT人材養成学校「デジタルハリウッドSTUDIO出島」(出島町)は、生徒有志10人が「今の銅座の姿」をテーマに制作した動画作品を銅座川プロムナード広場(旧銅座市場横)で発表する。同校の米田伊織オーナー(34)は「生徒が自分らしい表現を深めることができた貴重な機会。クリエーターとしての面白さを感じてほしい」と話す。
 店内で音楽演奏などを予定しているスナック「おしゃべりTIME」の経営者、近藤けい子さん(73)は新型コロナ禍で閉店に追い込まれる店や人通りの減少を目の当たりにしてきた。「街の火が消えるのではと不安で、力になりたかった。すてきなアーティストが銅座をにぎやかにしてくれてうれしい」と笑顔を見せる。平山さんは「豊かで楽しい長崎の夜の時間を未来につなげたい」と話した。
 フェスは空きがあれば銅座川プロムナード広場で当日参加も受け付ける。


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