琉球王朝から約300年間受け継がれる沖縄の伝統的歌舞劇【組踊】を初の劇場映画化! 『シネマ組踊 孝行の巻』、2023年1月28日(土)より渋谷ユーロスペースにて公開決定!

50年前、本土復帰の年に国の重要無形文化財に指定され、2016年にはユネスコ無形文化遺産に登録された沖縄の伝統歌舞劇【組踊(くみおどり)】の魅力をあますところなく映像で捉えた映画『シネマ組踊 孝行の巻』が、2023年1月28日(土)より渋谷ユーロスペースにて公開することが決定した。

『シネマ組踊 孝行の巻』は、約300年間受け継がれる沖縄の伝統的歌舞劇【組踊】を新しい切り口で映像化、初の劇場映画化に取り組んだプロジェクト。 【組踊】の様式美や舞台ではみられない役者の繊細な表情、緊迫感溢れる演奏者の音楽、流麗なセリフ回しなど【組踊】の魅力をあますところなく映像で捉えることに成功している。「孝行の巻」は組踊創始者玉城朝薫の五番の中でも、別れの悲しみを描く「静」と、獰猛な大 蛇が火を吹く「動」の対比が観るものを魅了する。

冒頭には案内人・宮城さつきによる歴史やみどころの紹介や、本編に字幕もあり、初めて組踊に触れる人も予備知識なしで楽しめるようになっている。 監督は『アンを探して』で国際映画祭「第5回アジアン・フェスティバル・オブ・ファースト・フィルム」最優秀作品賞と最優秀監督賞の2冠に輝いた、沖縄出身・在住の宮平貴子。 本作は2022年3月の「沖縄国際映画祭」ワールドプレミア特別招待され、映文連アワード2022において「優秀企画賞」を受賞した。

公開に際し、メインビジュアル・予告・スチールが到着。メインビジュアルは、家族を守るため生贄になると決意した姉と、弟の愛惜の思いを音楽とセリフを融合させ表現した感動の場面。すれ違いながらも親子が互いの幸せを祈る気持ちを描いた本作は、300年の時を超えて見る者の心を打つ。 予告は、シンガーソングライターのCocco、映画監督の中江裕司監督の絶賛コメントと共に、著名な舞台演出家・宮本亞門の「なんと美しい! 一瞬も目を離すことなく釘付けになりました」というコメントからも、300年の時をこえて受け継がれてきた伝統芸能「組踊」の色褪せない力強さが窺える。本作は他にも、各界著名人からコメントが寄せられた。

照屋年之(映画監督 /ガレッジセール・ゴリ)コメント

組踊の良さが分からなかった。

「喋り」は法事のお経みたいで眠いし、「顔」は無表情で塩対応だし、「歩く」スピードはC3POぐらい遅いし…。

この映画が観方を変えた! 飽きさせないカメラワーク。様式美を魅せる全体の画。

役者の感情では表情に寄り、客と心情を共感させる。丁寧な字幕付きで物語の世界にどんどん入り込む。琉球王朝時代、「組踊」が最先端のエンタメなのだと実感する。

「食わず嫌い」は良くなかった。食べてわかる「人を楽しませる気持ち」は過去も現在も変わらない。

Cocco(シンガーソングライター)コメント

微かに憶えのある組踊の音やリズムは沖縄の海や空や花の色を想わせた。

置き去りにしてきた何かがあるとして、まだ遅くはない。そう感じた。

ひっそりと、脈々と、堂々と褪せることのない鮮やかな文化に今、触れることが叶う。

中江裕司(映画監督)コメント

組踊は、伝統で、スローで、難しい、という考えを根底からひっくり返される。

物語後半に訪れる劇的空間における劇的瞬間を目撃していただきたい。

宮本亞門(演出家)コメント

なんと美しい!

「シネマ組踊 孝行の巻」を観た。切なくも余りの素晴らしい演者による組踊と、その魅力を余すところなく収めた宮平監督の映像の完成度に、一瞬も目を離すことなく釘付けになりました。300年前この組踊を創作した玉城朝薫氏に心から震え、本土の能とはまた違う繊細で人間味漂う洗練された沖縄伝統の世界に心酔しました。

これからも組踊の真髄を伝え続けてください。

玉城満(タレント・国立劇場おきなわ常務理事)コメント

沖縄を代表する伝統芸能「組踊」を映像化する試みは永年なされてきた。

しかし殆どが舞台を再現する、いわゆる記録的な作品ばかりではなかっただろうか。本作はその額縁の世界から一歩踏み出し、組踊の三要素である唱え、音楽、踊り、そのそれぞれの観せどころを適確かつ立体的に拾うという斬新な手法で録られている。生の舞台では気づかない組踊の新たな魅力を体感したのは私だけであろうか。

本作が新たなる琉球芸能の発信に一石を投じた作品であることは間違いない。

佐久本宝(俳優)コメント

幼い頃、父に手を引かれ、“組踊”と出会いました。客席から見ていた景色、稽古場で見ていた姿。

「シネマ組踊」は、その瞬間を最大限に伝えてくれると感じました。客席からは見られない表情や、指先、衣装の細部まで。立方からすると一瞬も気の抜けない緊張感が、こちらまで伝わる様です。

それを可能にした、全スタッフ、出演者の皆様の力。これが、沖縄の芸能の未来を示していました。

「孝行の巻」は、外連味溢れる仕掛けや、かと思えば心情を表現する繊細さ。

単純明快なお話と、初めて組踊を観るという方でも楽しめる作品だと思います。

やはり「舞台」なので、劇場でお客様と一緒に空間を創ってこそ、芸能が生きる事だと思います。

そこには感動、心を動かすエネルギーがあり、約300年もの間、残ってきたのだと感じました。

同じく僕もこの作品を見て確かに心が動きました。

それは、この作品に対する沢山の人の想いが詰まっている証なのだと思います。

少しでも多くの方に観て頂き、沖縄の芸能を、一緒に繋いで行きたいです。

ji ma ma (シンガーソングライター)コメント

組踊が、こんなにも美しくクレイジーでファンタジックだったとは。

ぶっ飛んだ物語の展開、紅型幕を背景に王朝時代の装いが凛と映えてクール。

感情的で細やかな所作と悲哀を帯びた特徴的な唄の旋律、とくに間も絶妙で見事に息の合った奏者の呼吸に、鳥肌がたった。

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