寺田稔総務大臣 何が問題なのか…を整理 関係する政治団体の “カネ” 疑惑で追及続く 野党側「 もう、いい加減お辞めになられたら」

国会で寺田稔 総務大臣への追及が止まりません。関係する政治団体のカネをめぐる問題が相次いでいるからです。総務大臣は、政治資金や選挙を担当するポストです。「ふさわしくない」と野党から辞任を迫られているのです。

立憲民主党 田島麻衣子 議員 11月14日
「これから予算委員会が始まりますよ。毎日毎日、このやりとりするんですか。もう、そろそろですね、総理大臣もお疲れだと思うので、気をつかって辞任したらいかがですか」

10月上旬から続く週刊文春のスクープ記事で、国会では追及材料に事欠きません。

中でも “亡くなっていた人が会計責任者だった” ことは、関係政治団体のずさんな事務処理を物語る象徴的な一件です。

共産党 塩川鉄也 議員 10月31日
「会計責任者が2019年10月に亡くなってから3年間も届け出事項を訂正しないままでいたと。このことは、政治資金規正法の規定に反するということは明らかですよね。」

寺田稔 総務大臣
「はい。罰則規定はないものの、7日以内の届出という規定にはですね、反していると思います」

政治資金を所管する総務大臣が、法律違反を認めた瞬間でした。

呉後援会でも不備が明らかになっています。寺田大臣が貸し付けた600万円…。寺田大臣は、「返済してもらった」としていますが、その記載が呉後援会の収支報告書にはなかったのです。

立憲民主党 熊谷裕人 議員 11月9日
「(後援会の)事務担当者が最後にチェックしたら見過ごすことはないですよ」

寺田稔 総務大臣
「ちゃんと調べて誠実にお答えしますので、お待ちいただければと思います」

寺田大臣は、「10年前のことで、保存期間が過ぎた会計帳簿なども廃棄されている」として、確認に時間がかかると釈明しています。

立憲民主党 後藤祐一 議員 11月8日
「4回の収支報告書の訂正、もう、これ以上ないということですね」

寺田稔 総務大臣
「これ、わたしが直接ですね、この何回も申し上げますが、チェックすべき立場でもありませんし。それは、事務的ミスが絶対ないというふうには申し上げられませんが」

後藤祐一 議員
「まだ、あるってことですか、大臣」

寺田稔 総務大臣
「わたし自身がチェックしておりません。収支報告書を見ておりませんので、わかりません。正直言って、それは、わたしも見ていないものをですね、確約することはできないわけでございますが」

寺田大臣は、一貫して「関係政治団体は、自分が代表者ではなく、管理すべき団体ではない」と強調します。

寺田稔 総務大臣 11月16日
「そうしたこの関係政治団体におけるミス・不手際等についてはですね、これは、(自身の)法的な責任という意味ではございませんが、遺憾でありまして、お詫びを申し上げているところでございます」

あくまで別団体―。自身に法的責任はないと、線引きに余念がありません。

政治資金の流れのわかりにくさは、ほかにもあります。

共産党 伊藤岳議員 11月1日
「源泉所得税を支払わなくてすむためのトンネルとして『以正会』という支払元を作ったのではないか?」

以正会とは、寺田大臣の妻が代表を務める政治団体です。

この以正会からの人件費支出を、私設秘書らの報酬に充てて源泉徴収を逃れているのでは…という疑惑です。

もちろん寺田大臣は、疑惑を否定。「常勤職員には自民党広島県第5選挙区支部から給与を支払っている。常勤職員ではないスタッフとは源泉徴収義務がない請負契約を結び、その支出を以正会から出している」と説明しています。

寺田稔 総務大臣
「完全に峻別してですね、別の政治団体から請負報酬を支払うことが極めて区分経理のうえからも適正であると判断いたしました」

事務所の家賃が寺田大臣の妻に支払われていることも追及材料になっています。

寺田大臣によりますと、選挙区支部と呉後援会の賃料は、過去10年であわせて2688万円。

野党は、きちんと妻が納税しているのか、確定申告書の提出を求めていますが、寺田大臣は個人情報で開示の対象ではないとして拒絶しています。

立憲民主党 奥野総一郎議員 11月17日
「政治とカネの疑惑の見本市じゃないですか。もう、いい加減お辞めになられたらいかがですか」

寺田稔 総務大臣 11月18日午前
「体調はまったく問題ございません。元気に毎日、執務させていただているところです」

国民に対して政治資金の透明性を身をもって示す立場の総務大臣。野党の辞任要求は収まりませんが…。

寺田稔 総務大臣
「少なくともわたしが接する国民・地元の方がた、みなさんから激励をいただき、説明して感心したという声しか聞いておりません」

寺田大臣は、18日朝の会見でも「説明責任は最大限果たしている」と言い切りました。

― 寺田大臣は、去年の衆議院選挙でのお金をめぐっても今週、国会で新たに指摘を受けています。来週からは補正予算を審議する予算委員会が控えています。

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