条例の適用は?盛り土を作ったのはだれか?熱海・残った土撤去の措置命令 取り消し訴訟の争点【キャスター解説】

<水野涼子キャスター>

盛り土を造成したとされる事業者が静岡県を訴えた裁判。原告は土砂を撤去するよう求めた県の措置命令の取り消しを求めています。

争点はいくつもありますが代表的なものを上げます。まず「条例の適用」です。原告は2011年に土地を手放しており、10年以上さかのぼって新条例を適用できないと主張します。これに対して、静岡県は再三の行政指導を無視し、放置しているのであって、今も違法な盛り土行為は継続しているとして、条例は適用できるとしています。

また、「盛り土の行為者」について、原告は撤去命令の出ている土砂は別の人によるものとして、行為者でないと主張し、静岡県は第三者が盛り土をした根拠がなく、原告による盛り土行為だとしています。

すでに始まっている行政代執行の費用は、最終的に15億円に膨らむ見立てもあり、費用の回収が不透明となっているなか、今回の裁判が費用の回収の方向性を示すものになるとみられます。

© 静岡放送株式会社