横浜市立本宿小学校3年の野村香さん＝当時（8）＝が行方不明になってから31年が経ち、進学予定だった市立本宿中学校の生徒や教職員のほか、旭署の署員ら約50人が19日、相鉄線二俣川駅で情報提供を呼びかけるチラシを配布した。新型コロナウイルス感染症の影響で中止していて3年ぶりの呼びかけとなった。
「いなくなったときの私の年齢より香が、年上になってしまいました」
この日、駅前で情報提供を呼びかけた母の郁子さん（69）は香さんの行方不明当時38歳だった。8歳だった香さんは39歳になっている。郁子さんの孫は今年小学校3年生となり、香さんと同い年になった。時だけが刻々と過ぎ去っていく。
郁子さん、新型コロナの影響を考え参加を迷っていた。
「チラシを受け取ってくれた子連れのお母さんが、わざわざドーナツを買って戻ってきて『食べて元気を出してくださいね』と言ってくれました。今回、チラシ配りをやって本当に良かったです」と、目に涙を溜（た）め話し、少しほほ笑んだ。
