課題解決型の新しいサービスを 横浜南部市場で実証実験 画像から属性判別、子どもならおもちゃ付きイベントも

三菱電機の動くサイネージ

 横浜南部市場(横浜市金沢区)をフィールドに、課題解決型の新しい製品やサービスの効果を試す七つの実証実験が行われている。オープンイノベーションを促す「I・TOP(アイトップ)横浜ラボ」という横浜市の枠組みで集まった、アイデアあふれる実験ばかりだ。南部市場が目指すにぎわいの創出や歩行者の安全確保などさまざまな課題の解決に向け、電機や自動車部品などものづくり企業が試行を重ねている。

 ラボは3年ほど前から横浜市が市内の施設を実験場に選んで、施設側の要望に沿った提案を募る方式で実施。今回の南部市場は春に9件が採択された。

 現在行われている実験の一つが、三菱電機の情報技術総合研究所(鎌倉市)が手がける「可動式デジタルサイネージ」だ。高さ1.8メートル、幅1.1メートルのサイネージは、前に立った人の画像から、大人か子どもか、一人か家族かといった属性を判別。属性に合った情報を提供する。例えば子どもと判断されれば、おもちゃ付きのプレゼントがあるイベント情報を提供。誘客や回遊性向上につなげられるか検証している。

 自動車部品メーカーのニフコ(横須賀市)は、人工的な光があれば発電できる電池不要で磁気などを検知するセンサーで、トイレの扉の開閉状況を把握するシステムを開発。4カ所・計28の個室の状況を一覧表示し、中央に集中しがちな行列の削減に役立てられるか検証中だ。同センサーは配線不要の通信機器でもあり、既存のトイレに後付けできるのが強みという。

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