【FIFAワールドカップカタール2022】グループE・日本の初戦は強豪国・ドイツ。そしてコスタリカ、スペイン戦へ

「FIFAワールドカップカタール2022」で日本(7大会連続7回目の出場/10月6日付FIFA世界ランキング24位)が属するグループE。日本は、ドイツ(18大会連続20回目/11位)、コスタリカ(3大会連続6回目/31位)、スペイン(12大会連続16回目/7位)の順に対戦する。ドイツは1954、1974、1990、2014年大会のW杯チャンピオンであり、スペインは2010年大会の王者だ。

客観的な前評判はグループDと同じく2強2弱だ。W杯優勝を経験したことがあるチームが同居する唯一のグループに対する妥当な評価だろう。ドイツは2014年大会の最優秀GKのマヌエル・ノイアー、司令塔のMFのヨシュア・キミッヒ、2010年大会得点王のFWであるトーマス・ミュラーらバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)の所属選手を軸に戦術を浸透させ、強力かつ幅広い戦い方をこなせるチームを作り上げた。前回大会は初めてグループリーグ敗退の屈辱を味わい、その雪辱を期して臨む今大会の目標は優勝。それを果たす力は十分ある。

スペインも一つのクラブの所属選手が軸になっており、大会期間中に20歳になるMFのペドリ、6月にスペイン代表の最年少ゴール記録を更新した18歳のMF・ガビら、世代交代を進めて台頭した新世代を、現チームでは唯一の2010年大会優勝経験者のMFのセルヒオ・ブスケツ、DFのジョルディ・アルバ(すべてバルセロナ/スペイン)らが支える。前線の決定力不足など不安要素もあるものの、若手が大舞台で“化ける”かもしれず、ポテンシャルは高い。

もっとも世界ランクを評価基準にするなら、ドイツは11位、スペインは7位と、上位進出は有力でも絶対的な存在とは言えない。24位の日本と31位のコスタリカもつけ入る隙はありそうだ。

日本は初戦でドイツと対戦。勝利できれば最高だが、そこまでは望まず、引き分けて勝ち点1を獲得したとする。さらに、スペインがコスタリカ、ドイツに連勝し、日本が第2戦でコスタリカに勝ったと仮定する。するとドイツは第3戦に勝っても1勝1敗1分けの勝ち点4どまりなので、日本は第3戦でグループリーグ突破を決めているスペイン相手に引き分ければOK、敗れても突破の可能性がある…という状況になる。もちろんこれは机上の空論であり、ドイツはそうならないための準備を怠らないだろうし、コスタリカは堅守を基盤に、日本と似た青写真を描いているはず。日本にとって都合のいいシナリオ通りに進む確率は低い。だからこそ、他チームの勝ち点と試合状況によって戦い方を変える判断力とそれを実行する柔軟性が必要になる。

前回大会の日本は、グループリーグ第3戦でポーランドに0-1とリードされながら攻めに出ず、そのまま試合を終わらせて勝ち点4で決勝トーナメント進出を決めた。この選択の是非は置いておいて、監督のしたたかな決断と、それを実行するは今大会でも必要になるだろう。グループリーグを6ピリオド270分の試合と考え、必要以上に一喜一憂せず、冷静に戦い抜いてほしい。

文/佐藤新

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