ホテルにバンジー、ジェットコースター…小中学生が「月面ホテル」提案 さいたまで宇宙のまちフォーラム

各チームで考案した月に建設するホテルのアイデアを発表する子どもたち=埼玉県さいたま市浦和区の青少年宇宙科学館

 埼玉県さいたま市浦和区の青少年宇宙科学館で、「宇宙のまちさいたまフォーラム」が開催された。同市出身でJAXA(宇宙航空研究開発機構)フライトディレクタの佐孝大地さんによる講演や、同館が主催する「若田宇宙飛行士アカデミー」を修了した子どもたちによるプレゼンテーションなどが行われた。

 同市教委は2019年11月に「宇宙のまち さいたま」を宣言。宇宙や科学の面白さに触れ、子どもたちの憧れや志を育もうとフォーラムを開催した。

 佐孝さんは「若田宇宙飛行士がいるISSを知ろう そして人類は再び月へ」と題し、現在、同市出身の若田光一宇宙飛行士らが滞在しているISS(国際宇宙ステーション)の構造やISS内の設備について説明。食事など宇宙飛行士の日々の生活について写真や動画を交えながら紹介し、来場した子どもたちは興味深く聞き入っていた。

 また、宇宙飛行士を地上から支える管制センターの仕事について、佐孝さんらフライトディレクタが交代で24時間ISSの支援に当たっていることを説明。「宇宙では何が起こるか分からない。宇宙飛行士の安全を第一に考え、日々の入念な準備、チームワーク、何があっても諦めないということを念頭に仕事をしている」と語った。

 さらに、若田宇宙飛行士アカデミースペースコースを修了した市内の小中学生10人が「10年後の月面に宇宙ホテルを作ろう」をテーマに、3チームに分かれてプレゼンテーションを行った。各チームとも安全を考慮して建設場所を考えたり、重力が地球の6分の1という特性を生かしてバンジージャンプやジェットコースターを作るなど、娯楽や食事、おみやげなども楽しめるユニークな月面ホテルのアイデアを発表した。

 小学6年の高橋竜太郎さん(12)は「他の星については調べたことがあったが、月のことをあまり学んだことがなかったので理解を深めることができた」。白石真音さん(12)は「実際に住むことを想像して、細かい部分にも気を配りながら考えた。宇宙についてもっといろいろなことを勉強したい」と意欲を見せていた。

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