【動画あり】徳之島で離島奪還訓練 日米演習「キーン・ソード」を公開 住民を前に銃や通信機器で警戒姿勢

 【徳之島で明真南斗】日米共同統合演習「キーン・ソード23」の一環で、自衛隊と米軍は10日から、鹿児島県の徳之島で離島奪還を想定した着上陸訓練を実施してきた。島内に自衛隊施設はなく、集落に近い海岸など複数の民間地を使っている。米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22も徳之島に飛来し、伊仙町が管理する総合グラウンドに着陸した。

 18日、徳之島での訓練の一部が住民や報道機関に公開された。徳之島町が管理する万田海岸では、陸上自衛隊の水陸機動団(水機団)が水陸両用車などで海浜に上陸する場面を公開した。
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 水機団が上陸しやすいよう、攻撃ヘリ2機が先に海岸沿いを飛行して敵の部隊を攻撃する想定。その後、ボート10艇に続いて水陸両用車14両が上陸。最後にホーバークラフト型揚陸艇「LCAC」が上陸した。
 住民を前に、水陸両用車から降りた自衛官がそれぞれ銃や通信機器を携えて警戒に当たる姿勢を取った。
 1歳の息子と海岸を訪れた44歳の男性は「島で初めてなので見に来た。有事に備えて訓練は必要だと思う」と訓練に理解を示す一方、「これから何度も続くと、うるさいなと感じるなど不満も出てくるかもしれない」と語った。

 訓練の中止を訴える住民もいた。69歳の男性は「自衛隊は少しずつ慣らそうとしているのだろう。人殺しの訓練だというのが本質だ」と強調した。

 伊仙町の総合グラウンドに着陸した在沖海兵隊のオスプレイは、占拠された島に空から上陸することを想定した訓練を公開した。町によるとグラウンドは通常、地域の人がグラウンドゴルフなどで使っている。

 69歳の男性は「島内の各地で訓練をしており、物騒だ。まるで島全体が占領されたかのようだ」と嘆いた。

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