若手職員が市長らに提案 新規事業や業務改善、田辺市

真砂充敏市長(左)らの前でアイデアを発表する若手職員ら=和歌山県田辺市役所で

 和歌山県田辺市は、若手職員から新しい事業や業務の改善案を募る「職員提案制度」を設けている。本年度は9件の応募があり、真砂充敏市長らに直接プレゼンテーション。最優秀賞には、無料通信アプリ「LINE(ライン)」を活用して脱炭素社会の実現に向けた取り組みを発信する提案を選んだ。

 職員提案制度は住民サービスや職員の勤労意欲を高めるのが狙いで、2011年度から実施。本年度を含め計127件の提案があり、60件を採用(条件付き採用を含む)している。

 プレゼンテーションでは、真砂市長をはじめ市幹部が並ぶ前で、グループごとに提案内容を発表。「間伐材を割り箸に加工して有効利用する」「フレックスタイム制を導入する」「オンラインゲームで高齢者のDX(デジタル変革)推進を図る」などさまざまなアイデアが飛び出した。

 LINEの活用を提案したのは、本年度の新規採用職員ばかりで構成した5人のグループ。「マイボトル・マイバッグを持とう!」など脱炭素に向けてできることを分かりやすく発信したり、一般からイラストを募集してスタンプコンテストを開催したりすることで、市民が行動するきっかけを生み出そうと提案した。

 このほど表彰式があり、真砂市長が表彰状を手渡した。グループの一人で保険課の滝本香菜子さん(34)は「市長に直接提案できる機会はなかなかないので緊張したけれど、いい経験になった」と話した。

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