キルティングアート 布で風景表現 大阪の作家、矢掛で90点展示

米倉さんのキルティングアート作品が並ぶやかげ郷土美術館

 綿を挟んだ何枚もの布を縫い合わせて風景を描写するキルティングアート作家・米倉健史さん=大阪府在住=の特別展が、やかげ郷土美術館(岡山県矢掛町矢掛)で開かれている。12月18日まで。

 「キルティングアート」は布で描く絵を意味する造語。米倉さんは1961年に写真を学ぶ専門学校を卒業し、独自の表現を模索しながらカメラマンやイラストレーターを経て77年から創作活動を始めた。イメージ通りに仕上げるため、自分で染めた約500色の布を常備しているという。

 会場には米倉さんが出版した詩画集や絵本の原画など約90点が並んでいる。紙飛行機が上空へと飛んでいく様子を、幻想的な宇宙空間とともに表現した絵本「かみひこうきとんだ」では、空の色の移り変わりを、縫い目や布の重なりによる陰影、布独特の柔らかい質感で表現している。

 福山市から訪れた女性(71)は「細かな部分も丁寧。独特の世界観に引き込まれます」と話していた。

 月曜休館。23日には米倉さんが来場し、午後1時半からサイン会が開かれる。一般600円、中高生400円、小学生200円。

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