今年も…忘年会の予約低調 「第8波」懸念でキャンセルの動きも

予約状況をタブレット端末で確認する倉西店主=18日午後、宇都宮市宿郷5丁目

 2022年も残り1カ月強となる中、栃木県内の居酒屋やホテルから、芳しくない忘年会の予約状況を嘆く声が上がっている。新型コロナウイルス感染の「第8波」への懸念が高まる中、客足の鈍りがみられる店舗もある。宴会が小規模となる傾向は経営にも痛手で、関係者は「予約のキャンセルが怖い」とこぼす。コロナ禍で3回目の年末にも期待がかからないでいる。

 「かき入れ時なのに、また感染の波が来た」。18日夕、宇都宮市宿郷5丁目のスペイン風イタリア料理店「Ricotta Latino(リコッタ・ラティーノ)」。倉西哲也(くらにしてつや)店主(38)はため息交じりに話す。

 コロナ禍前の今頃。忘年会シーズン向け、「予約が殺到する時期」と振り返る。12月の週末は約70席が満席となり、1日約150人の客を迎え入れていた。

 今は当時に比べ、「ひどい状況」と明かす。予約数はコロナ前の半数に届かない。「『第8波』という言葉のインパクトが大きい。宴会をしにくい風潮が広まりかねない」と険しい表情が崩れなかった。

 那須町高久丙のホテルエピナール那須は、県内外の企業などが開く100人単位の忘年会に応じてきたが、20年末、21年末と団体客がほぼ途絶えた。担当者によると、今年は数十人規模の予約が複数あり「客足が少し戻ってきた感触だ」。

 ただ、コロナ禍前と比べれば予約数は3~4割に止まり、宴会の規模も小さい。第8波を懸念したキャンセルも出始め、「気が抜けない」と語気を強めた。

 地元住民に愛されてきた創業30年の日本料理店「山清」(野木町丸林)の店主真瀬孝次(ませこうじ)さん(68)も、感染拡大の行方が気にかかる。12月上旬までに、少ないながらも4組の予約があり、来客のありがたみを感じている。キャンセルは怖いが「この時期に来てくれるのだからありがたく歓迎したい」と話した。

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