Iya Valley Tours 【part1】 地元ガイドと発見する秘境祖谷 

観光客入国制限緩和とともに、現在、海外からやってくる多くの旅行者が有名観光地の再発見みならず、あまり知られていない、より本当の農・漁・山村地域への旅をも求めている。四国のまんなか、秘境祖谷もその一つとして、今多くの注目を集める地域だ。Iya Valley Toursは、地元住民であるガイド達が、旅する探究者たちへ、この魅力あふれるエリアを案内している。

徳島県三好市祖谷 外国人観光客を魅了する違った表情をもつ日本

「ようやく戻ってこれて、とてもうれしい。」と、アメリカからやって来たレイチェルさんは言った。「日本に来るのはこれで8回目で、家族と一緒にこの旅行に来れるのを、辛抱強く2年以上も待っていました。」

レイチェルさん、夫のグレッグさん、そして彼のご両親は、2020年4月以来続いた入国制限が緩和されて初の、10月に日本へ入国した観光客のうちの1組。

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この一家は、以前に何度も日本を旅行しており、各都市や名所はもうほとんど訪れたことがある。今回の旅では、日本では最も観光客が少ないと言われている四国に焦点を当てて予定を組んだという。

なぜ四国に?秘境と呼ばれる三好市祖谷地方を選んだ理由とは

「四国を選んだのは、私達全員、まだ誰も来たことがなかったから。そして、四国は本当に美しくて、有名観光地の様に大量の観光客であふれてもいないという噂も聞いていたから。祖谷は日本の別の顔を見つけるのにふさわしい場所だと思った。」

徳島県三好市祖谷地方は四国の中央に位置し、日本三大秘境として名をはせている地域だ。

山々がはるか彼方まで続き、急な山腹には張り付くように昔ながらの集落が点在する祖谷地方。澄み切った川には古くの時代から人々が行き交ったというかずら橋が架かり、おじいちゃんやおばあちゃん達が中心となる地元住人は親切で笑顔が絶えない。それらがまるでこの谷を昔のまま時が止まってしまったかのように見せるが、それは高層のモダンなビルが立ち並ぶ超近代都市とは全く反対の顔を持つ、もう一つの日本でもある。

未知の地域へ出発 祖谷を知り尽くした地元ガイドによるプライベートツアー

「本当はレンタカーを借りて、祖谷を一周するつもりだったのだけれど、、。」とグレッグさんは説明してくれた。「でも、この道路を見たら、そうしなくて本当に良かった。曲がりくねって、ほとんどが1車線の道なんて、たいして遠くまで行けなかっただろうし、母などは怖くてパニックになったかもしれない。」

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そして、グレッグさんレイチェルさんご夫婦は、交通も困難なこの地域を家族に心から楽しんでもらうため、「秘境のふるさと」を英語でカスタムツアーできる、とても小さな、しかしながら地元に根ざしたIya Valley Tours を見つけることが出来た。

Iya Valley Toursの本社となる、かずら橋タクシーは、20世紀半ば、断崖絶壁に初の道路が祖谷に造られて以来、この地で営業を続けている。もちろん、ドライバーはこの地で生まれ育った祖谷の住人で、悪路である祖谷の道の達人。

「祖谷にはいくつもの観光名所があるが、本当の祖谷を案内したいと思っている。」と、祖谷へ移住して20年ほどのガイドのあきさんは話してくれる。

「Iya Valley Tours は地元の住人しかできないツアーがモットー。長く住んでいないと分からない、たくさんの物語がある。私たちの大好きな、祖谷という、日本の中でも秘境中の秘境に興味を持って来てくれる方々に会えるのは、本当にうれしい。お一人でいらっしゃる方にも、昔からの知人に会ったように楽しんでもらえるような、そんなガイドをしたい。」

奥祖谷二重かずら橋~名頃かかしの里 祖谷のミステリーに出会う

実際に祖谷を訪れる人の多くが、国宝である「祖谷のかずら橋」と、他のいくつかの観光スポットにのみ訪れることが多い。しかし、Iya Valley Tours では、混みあう場所をさけて祖谷のさらんに奥へと、ゲストを案内していく。

「通常は私達は、奥祖谷二重かずら橋へ行くことが多いですが、人も少なくてのんびりできますよ。」と、あきさん。「祖谷の奥へ行くには、時間もかかりますが、本当に行く価値があります。」

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奥祖谷二重かずら橋に着くと、レイチェルさん一家はガイドの意見に同意した。グレッグさんも「この橋は本当に素晴らしいし、日本はこんなに緑が深くて、のどかだとは思ってもみなかった。」と驚いた様子だ。

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秘境のソロキャンプ ~奥祖谷二重かずら橋~ パート1

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その人里離れた橋へ向かう途中の「かかしの里」へも立ち寄った。住人は27名だが、この小さな集落には300体以上の等身大のかかしがあらゆるところで、様々な姿を見せている。このかかしは、地元の作家綾野月美さんの手による。

「これは、すごい。」レイチェルさんは、声をあげた。「何年も前にここについてのビデオを見てから、ぜひ本物を見たいと思っていた。」

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レイチェルさんのお義母さんも綾乃さんのかかし達に魅了された。さらに、ガイドより作家の綾野さんも紹介してもらい、その出会いにも感動している。

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かかしの母 綾野月美さん パート1 三好市東祖谷名頃「かかしの里」

「かかしの里は、想像していたものより規模が大きくて、それに、とっても魅力的な作品とコンセプトだと思う。」

廃校になった名頃小学校では、かかし達が集い、祭りも最高潮に達している。体育館では、阿波踊りをするかかし連もいる。曲も鳴り響き、楽しそうに踊りのまねをはじめる。

「今、この瞬間が特別なのは、誰にも邪魔されず、私達だけがここにいること。」レイチェルさんは言い、「かかし達もね。」と付け加えた。

ガイドブックに載っていないスポットも?!祖谷のさらに奥へ

しかし、Iya Valley Toursのガイドにとって、”本当の”祖谷を見つけるには、有名観光スポットだけでは十分ではない。

「川のそばの主要道路は、道路わきの家を含めて比較的新しいもの。」とガイドのあきさんは言う。「集落を、古い茅葺きの古民家がある中腹まで上がりましょう。そこではいまだ、昔ながらの農業が行われています。お昼もその集落の古民家でとりますよ。」

険しくカーブの多い、でこぼこした細い道路を上がっていくタクシー、グレッグさんは「自分で運転してこの場所は見つけられなかったよ。この随分な古い道は、一体、、?」と聞く。

「この道も新しいですよ。」あきさんは言う。「本当の祖谷の生活を感じてもらえるように、昔からの生活道も一緒に歩きますよ。」Iya Valley Toursは車窓からだけの観光ではないようだ。

Part 2 では、ツアーは、祖谷の暮らしを見つける旅へ。
>>Iya Valley Tours 【part2】 秘境祖谷の暮らしを楽しむ

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