海上保安庁の旗に描かれたマークって一体なに? 紺色に白抜きのデザインにも理由【敦賀海保日誌】

写真を拡大 はためく国旗と・・・?
写真を拡大 巡視艇に搭載されているコンパス

青空の下、国旗とともにはためく紺地の旗。これ、何の旗か知っている人いますか??

実はこれ、「海上保安庁旗」なんです!! 海の近くに住んでいない人にとっては、間違いなく馴染みのないこの旗。もし、このマークの意味まで知っている人がいるのならば、海保マニアを公言することを私が許可します!!!(誰トクw)

このマークの名前は「コンパスマーク」。その名のとおり、方角を調べるために使う「コンパス」をモチーフとしています。コンパスは、船が安全な航海を行ううえで欠かすことのできないもの。なんの目印もない大海原で安全な航路を進むためには、コンパスを見て船が進んでいる方向を確認しなければなりません。

そんなコンパスをモチーフとすることによって、海の安全確保という海上保安官の使命を表現するとともに、常に海上保安官の向かうべき方向を指し示し、その使命を見失うことなく遂行していく、ということを表現しています。

⇒それ誤解です…海上保安官「あるある」ベスト3 だから海上自衛隊じゃないって!

海上保安庁の初代長官大久保武雄は、海上保安庁旗のデザインを、海の色をイメージした紺の地にこのコンパスマークを白で染め抜きスマートなイメージのものとしました。

⇒海上保安庁の巡視船と巡視艇の違い

この海上保安庁旗は、自衛隊の前身である警察予備隊創立の2年前、海上保安庁が創立した昭和23年5月12日に初めて庁舎に掲げられ、今では各地の海上保安部署の庁舎や巡視船艇に掲げられています。

ちなみにですが、庁旗がこのデザインとなった経緯の裏には、当時、GHQから旗のデザインに「桜」と「星」と「錨」、それに「赤い色」の使用を禁止されていたんだそうです。

さて、なぜだと思いますか?・・・

⇒海上保安庁の巡視船の名前どう決める 知られざる命名の基準

「コンパスマーク」は、庁旗のほかにも海上保安官が着用している制帽や職員章などにあしらわれており、巡視船の煙突にも描かれています。まさしく海上保安庁を表すマークといえるでしょう。

さて、ここまで読んでいただいたアナタ!晴れて海保マニアに認定です!巡視船や庁旗を見掛ける度にこのウンチクを語ることを許可します!(いよいよ誰トクw)

⇒海上保安庁の巡視船に描かれたマーク、一体なに?

なお、海上保安庁を表すマークは、今回紹介したコンパスマークの他にも「JCGロゴマーク」や「S字マーク」なるものがあります。いろんなマークが存在していて、若干“方向性”にブレがあるような。コンパスだけに・・・w(敦賀海上保安部・うみまる)

 

 

 

 

 

 

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