W杯の「大番狂わせ」

 今夜、サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会が幕を開ける。もちろん最大の関心事は、長崎市出身の森保一監督と吉田麻也主将が率いる日本が、難敵ぞろいの1次リーグE組を突破して悲願の8強入りを果たせるかどうか▲とても良いお手本が同じE組にいる。中米代表のコスタリカだ。2014年ブラジル大会の1次リーグでは、優勝候補のウルグアイとイタリア、強豪イングランドが同居する「死の組」に入りながら、2勝1分けで堂々の1位通過を果たした▲この組でコスタリカは最も力が劣るとみられていた。ところが初戦でウルグアイに3-1で快勝。続けざまにイタリアも破り、イングランドとは引き分け。最終的に8強まで勝ち残り、W杯史上に残る大番狂わせを演じた▲学び取れるのは初戦で勢いに乗る大切さ。今大会の日本も23日の初戦でドイツから金星をもぎ取りたい。次戦のコスタリカにも勝ち、余勢を駆って3戦目のスペインに挑むのが理想だ▲「強さ」「速さ」を重視した森保監督のメンバー選びを見ても、守って走って粘り強く戦う意図は明らかだ。求められるのは数少ない決定機を逃さないしたたかさ、か▲番狂わせがしばしば見られるのもサッカーの面白さの一つ。森保ジャパンが世界を驚かす。そんな大会になってほしい。(潤)


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