キムチ用野菜の端材、動物園に寄付続け 川崎のSDGs大賞に「おつけもの慶」運営会社

環境に配慮した取り組みを続ける渥美社長(右)と朱美さん=川崎市川崎区大島上町の店舗

 「無理せず、できることから」─。これをモットーに、野菜の端材の寄付やプラスチックごみの削減など環境に配慮した取り組みを続ける食品製造・販売「グリーンフーズあつみ」(川崎市川崎区)が、市内で初めて企画された「かわさきSDGs大賞」に選ばれた。渥美和幸社長(52)は会社の歩みと重ね、「気負わずにコツコツとやり続ければ、やがて大きな変化が生まれる」と実感を込める。

 同社は、キムチ専門店「おつけもの慶」などを運営し、同区内で5店舗を展開する。白菜やカブ、地元の伝統野菜のらぼう菜のほか、イカやタコなどを使い、さまざまなキムチを製造・販売している。

 同社が約10年前に始めたのが、キムチを作る際に廃棄する野菜の端材の寄付だった。1週間に2度、横浜市西区の野毛山動物園に届け、動物のえさにしてもらっている。その量は、年間約9トンに上る。渥美社長は「廃棄を減らせるのはもちろん、入園料を取らずに運営している動物園の助けになりたかった」と話すように、支え合う気持ちも大切にしている。

 2年ほど前からは、包装用のプラスチック容器を、再生可能なバイオマスを原料とするビニール袋に切り替えた。店舗でステンレス製の容器を買ってもらい、持参したお客には商品を20%増量するサービスも始めた。年間約8トンのプラスチックごみの削減を目標に掲げ、ほぼ達成しているという。

© 株式会社神奈川新聞社