野岳湖造りテーマに「松原神楽」 地元の子どもたち初披露

野岳湖造りをテーマにした神楽を披露する子どもたち=大村市、松原八幡神社

 長崎県大村市松原地区の歴史をテーマに松原宿活性化協議会(村川一恵会長)が制作した「松原神楽」の2作目が19日、松原八幡神社(松原本町)の「松原おくんち」で初披露された。

 文化庁の伝統文化親子教室事業の一環。昨年は、江戸時代に捕鯨で富を得た深澤儀太夫をテーマに、地元の子どもたちがクジラ捕りの様子を表現した神楽を初めて披露した。
 今年は「深澤儀太夫勝清 野岳ため池造り」と題し、深澤が私財を投じて人造湖の野岳湖(東野岳町)を完成させた話が題材。神楽は約3分で、10月初旬から練習を重ねた小中学生14人が舞や太鼓、笛で出演した。
 手を広げて回ったりジャンプしたりする振り付けで、大雨により土地が荒らされる様子やため池造りなどを表現。雨音に見立てた太鼓のほか、笛もテンポよく奏でた。神社境内には多くの人が詰めかけ、「もってこい」とアンコールの声も上がった。
 市立松原小5年の中村一葉さん(11)は「舞台に上がったら緊張もほぐれて、練習の成果を発揮できた。また来年も出演したい」と満足げに話した。
 松原神楽は今後も演目を増やしていく予定。村川会長は「練習期間も短かったが、子どもたちから追加練習を求められるなど真剣に取り組んでもらった。地元に根付き、代々続いていく神楽になれば」と述べた。

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