鼓膜ないなった(こまくないなった)

「鼓膜ないなった」(こまくないなった)とは、大きな音を聞いて耳が痛い状態を表す比喩表現。配信動画などで、配信者が叫び声や雄たけびなど極端に大きな声を出した際などに「鼓膜がなくなったような気持ち」として使われる。

「鼓膜ないなった」の意味

「鼓膜ないなった」(こまくないなった)とは、大きな音を聞いて耳が痛い状態を表す比喩表現。

配信動画などで、配信者が叫び声や雄たけびなど極端に大きな声を出してしまい、それを聞いたリスナーが一瞬音が聞こえなくなって「鼓膜がなくなったような気持ち」になった時にコメント欄に投稿する感嘆の言葉。

「鼓膜ないなった」の由来・語源

YouTuberやVTuberが配信する動画の多くは、テレビなどとは違って収録から編集配信までを配信者本人など素人が手作業で行っている。そのため、ボイスなどのボリュームバランスは動画によってまちまちで、場合によってはスピーカーが音割れするレベルの絶叫が再生されてしまうことがある。とくに聞き取りやすくてよく通る声をしたVTuberに鍛え抜かれた肺活量のままに絶叫されると、直接脳を殴打されるようなダメージを受け、一時的に音が聞き取りにくくなってしまうことも。そんな状況を指してVTuberファンの間で流行ったのがこの「鼓膜ないなった」という言葉である。

ただ「鼓膜が破れた」とかではなく、広島弁で「ないなった」というちょっと舌足らずな表現をするのがかわいいと評価されて定着。配信動画のチャットコメントでよく使われるようになった。

とはいえ、最近のイヤホンやスピーカーは安全設計がされているので、実際に鼓膜がなくなってしまうほどの衝撃を与えられることはない。書いているほうも読んでいるほうも、あくまで比喩表現のひとつとして楽しんでいる。

そのため、中には「さっき鼓膜ないなったので、スペアもってきました。付け替えたので改めて続き見ます」とか「今日はホラー配信だから、絶対途中で鼓膜ないなる。予備を50枚用意しておきました」など、本来あり得ない鼓膜のスペアや付け替え発言などが飛び交ったりする。が、それはそれとしてお遊びのひとつとして許容されている。また、何度も使われるうちに「〇〇ないなった」の表現自体も拡張。

配信者が突然リスナーを驚かせるような行動に出て、思わず心臓が止まりかけた時には「心臓ないなった」。ちょっと理解不能な事態が起きて、配信者もリスナーもそろって宇宙猫のような顔で茫然とする時に「頭ないなった」など。何かが原因で体の一部がなくなったような心持ちにさせられた時に「〇〇ないなった」と表現するようになった。

発祥はホロライブ系のVTuberではないかと言われているが、誰の動画でいつから使われるようになったのか、はっきりとした起源は明らかになっていない。ライバー界隈は毎日のように新たな動画が公開され、様々なトレンドが発生するため、使っている本人たちも気づかない間に流行語が産まれている。

「鼓膜ないなった」の活用例

「鼓膜ないなった」の会話での使用例:

A「いや~昨日のホラーゲーム実況配信すごかったわ~」

B「また絶叫系?」

A「うん、推しがドア開けるたびに悲鳴あげてて、そのたびに鼓膜ないなったわ」

B「そんな耳が痛くなるくらい絶叫されてて、大丈夫? うるさくない?」

A「わかってないなあ。これはご褒美! 推しの悲鳴で鼓膜が奪われた時にしか得られない栄養素がそこにある」

B「……訓練されすぎじゃね?」

プロの音響監督が調整していない配信動画には、時に人の五感を破壊するために作られたのではないかと疑ってしまうような作品が混ざっていることがある。だが、そんな粗削りなクオリティだからこそ得られるリアクションもある。新たなスターを発掘すべく、リスナーは予備の鼓膜を用意しながら配信動画サイトの荒波をかき分けていくのだろう。

……が、それはそれとして、突然のフルボリューム絶叫は近所迷惑になってしまうことがあるので、昼夜に関わらずヘッドホンかイヤホンにて視聴すべきと思われる。

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