九州農業クラブ発表会で最優秀賞 諫早農高・食品科学部と生物工学部

 九州学校農業クラブ発表大会に本県代表で出場した県立諫早農業高の食品科学部と生物工学部の研究発表が、プロジェクト発表の2部門でそれぞれ最優秀賞に選ばれた。
 同クラブ連盟などが毎年開き65回目。8月に熊本市で開かれた。

放置竹林問題の研究で最優秀賞に輝いた食品科学部=諫早市立石町、諫早農業高

 食品科学部(23人)の研究は「放置竹林の問題解決法~新しいきのこ栽培技術の確立と普及」。全国的に放置される竹林が増える中、竹の特定成分にシイタケなどキノコ菌糸の成長促進効果や抗菌効果があることを突き止めた。キノコの菌床栽培で竹林対策につなげ、国連の持続可能な開発目標(SDGs)4項目を達成したことを発表した。
 生物工学部(15人)は、「離島と想いを繫いだ私たちのSDGs活動~希少植物の宝庫をフードロスニュートラル活動で守る」を発表。対馬市からの協力依頼をきっかけに、食べ残しなどで堆肥をつくり、飼料などに活用する研究に取り組んだ。生ごみ焼却で発生する二酸化炭素を削減し、希少動植物が生息する対馬の環境保全に役立てる狙い。

食べ残しなどから堆肥を作る研究で最優秀賞に輝いた生物工学部

 食品科学部の吉田美優部長(17)は「苦労した研究なので、とてもうれしい。有名な企業から実用化の申し出もあり、誇りに思う」と笑顔。生物工学部の内田麟太朗部長(17)は「離島問題は将来的な日本の問題ともいえる。食品ロス削減を多くの人に伝え、希少な動植物を守っていきたい」と目標を語った。
 両部は10月26日、富山県高岡市で開かれる全国大会に出場する。

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