山本左近議員、お台場MSJフォーミュラEデモ走行でガードレールにヒットもさすがの切り返し「限界を攻めるのがモータースポーツの魅力」

 11月20日、東京・お台場の特設会場で開催された『JAFモータースポーツジャパン2022』。この日のメインイベントと言っても差し支えないフォーミュラEのデモンストレーション走行で、山本左近衆議院議員の乗るフォーミュラEマシンがガードレールにヒット。フロントウイングにダメージを負ったが、幸い山本議員に怪我はなかった。

 元F1ドライバーであり、フォーミュラEへの参戦経験もある山本左近衆議院議員。大勢の観客が見守るなか、14時よりデモランがスタートした。なお、前日の19日には東京都庁前で開催された東京都主催のイベント『ZEV-Tokyo Festival』でも同一車両が高星明誠の手で走行している。

 20日にお台場行われたデモ走行は、ガードレールにより区切られた完全クローズドの特設コースということもあり、フォーミュラE GEN2カーもそのポテンシャルを発揮。19日の都庁前でのデモ走行では見られなかった迫力のスピンターンなど、レーシングカーらしい俊敏な動きを随所で見せつけた。

 一旦走行を終え、ステージでのトークセッションを挟み、コース退出の時間に。車両のコース外退出を兼ね、最後のデモ走行に挑んだ山本議員だったが、そろそろコース退出かというタイミングでガードレールにヒット。

 フォーミュラE GEN2カーのフロントウイングが破損するも幸い、山本議員にも怪我はなく、フロントウイングを外して、テントガレージに自走して戻ることができた。

アクシデント直後のフォーミュラE GEN2カー
アクシデント後もファンの声援に手を振り応える山本左近議員

 走行終了後、囲み取材に応じた山本議員に、このアクシデントについて尋ねると、「走るたびに石が舞い上がるような状況だったので、砂の上というか、氷の上を走っているような状況でしたね」と振り返る。

 今回のアクシデントの大きな要因となったのは、デモ走行中に落ち始めた雨粒だった。山本議員の乗るフォーミュラE GEN2カーは、来シーズンよりフォーミュラEにタイヤを供給するハンコックタイヤのスリックタイヤ(水かき用の溝のない晴れ用のレース専用タイヤ)が装着されていた。

 さらに、特設コースはアスファルト路面。写真でもわかるように非常に小石が多く、元F1ドライバーといえど難しいコンディションだった。

お台場の特設デモコースの路面はアスファルトで小石も多い

「モータースポーツは常に危険と隣り合わせのスポーツであることは間違いないです。ただ、それをドライバー、チーム、関係者みんなが全力で安全を守りながら、その限界ギリギリを攻めていくのがモータースポーツの一番の魅力だと思います」と山本議員は語る。

「そういう意味で、今日(のアクシデント)はいい事例だったと思いますね。『限界の先には何があるか』ということを改めて、肌身をもって経験することができました。でも、そういうのを含めてモータースポーツは魅力だと思います」

「本来であればぶつからない方が良かったかもしれません。でも、こういったことも起こり得るんだということ。特に我々はレースを“開催する側”にいるわけですが、『じゃぁどういった安全管理が必要なのか』、『こういうところだったら関係のみなさんに楽しんでもらえるね』とか。その線引きをしっかりと考えていただく上でも、とても大事な機会だったと思います」

「今回、この車両を準備してくださった方々には申し訳ないと思います。みなさんも『左近やっちゃったな』と思ったかもしれませんけど、これもひとつのモータースポーツだと思います。モータースポーツには、こういうことも起こり得るものです。それを含めた上で、みなさんに楽しんでもらえたらなによりですね」

 まさかのアクシデントでデモランを終えることとなった山本左近議員だが、身をもってモータースポーツの魅力を表現し、そしてコメントするのはさすが元F1ドライバーであり、現役の衆議院議員。先日のWRCラリージャパン、そしてスーパーGT、スーパーフォーミュラで取り組んでいるカーボンニュートラル・フューエルの導入による環境活動、そしてフォーミュラEの日本初開催に向けて、ますます山本左近議員の存在感が高まりつつある現在。今回のこの経験も2024年に開催が計画されているフォーミュラE東京大会だけでなく、今後の日本のモータースポーツの発展に活かされるに違いない。

デモ走行の途中、ステージトークショーにも出演した山本左近議員
見る限り、フロントウイング/カウル以外の破損は見られなかった
幸い、フロントウイングを脱着ののち、自走でテントガレージまで戻ることが叶った

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