遂に開幕するカタール・ワールドカップ。
今大会に10代で出場する全選手を『Guardian』などを参考にまとめてみる。
グループA
チャビ・シモンズ(オランダ代表)
PSV所属の19歳
元Jリーガーであるレジリオ・シモンズ(京都サンガでの登録名はレジ)の息子であり、バルセロナのカンテラ時代から神童として知られてきた。
PSGでは出場機会に恵まれなかったが、PSVではエネルギッシュな左足を武器にブレイク。一気に本大会メンバー入りを掴み取った。
グループB
ジュード・ベリンガム(イングランド代表)
ドルトムントに所属する19歳のMF
バーミンガムでは史上最年少出場記録と最年少得点記録を更新(16歳38日と16歳63日)を樹立し、若い頃からスティーヴン・ジェラードと比較されてきた大器だ。
44試合の出場にもかかわらず、バーミンガムが彼の背番号22を永久欠番にしたほど。
13歳頃にバーミンガムの育成担当から「君は22番になれる(全てを兼ね備えたMFになれる)」と言われて以降、この番号を好んでつけている(アンカーの4番、センターハーフの8番、攻撃的MFの10番を合計すると22)。
ユヌス・ムサー(アメリカ代表)
バレンシア所属の19歳MF
生い立ちが国際色豊かで、イングランド、ガーナ、イタリア、アメリカ代表を選択できた。
ガーナ人の母がアメリカを親戚を訪れている際にニューヨークで生まれ、その後、イタリアとイングランドでもプレー。
パワーとスピードを兼ね備え、バレンシアでは外国人として史上最年少の17歳と289日でデビューした。
ジョー・スカリー (アメリカ代表)
ボルシアMGに所属する19歳のDF
両サイドをこなす大型サイドバックだ。MLSでは弱冠15歳でプロ契約を結び、あのフレディ・アドゥに次ぐ史上2番目に若いプロ選手になった。
ドルトムントに所属する20歳のアメリカ代表ジョバンニ・レイナとは仲良しだそう。
グループD
ガラング・クオル(オーストラリア代表)
セントラルコースト・マリナーズに所属する18歳のFW
豪州に現われたシンデレラボーイだ。
今年9月、クラブチームで先発デビューする前に代表デビュー。来年1月にはニューカッスルに移籍し、週給2.5万ポンド(417万円)を稼ぐことになる。
南スーダン人の両親を持ち、兄アルーもシュトゥットガルトでプレーしてる(彼はまだフル代表デビューしていない)。
ハンニバル・メイブリ(チュニジア代表)
バーミンガムに所属する19歳のMF
マンチェスター・ユナイテッドが保有しており、あのネマニャ・マティッチからも「ハンニバルは素晴らしい選手であり、素晴らしいキャラクター。彼は自分の才能を生かさなくてはいけないよ。練習で見るたびにそのクオリティに驚かされる。どう成長するのか本当に楽しみ」と評価している。
本人はポール・ポグバやクリスティアーノ・ロナウドからも刺激を受けていると話していた。
グループE
ジャマール・ムシアラ(ドイツ代表)
バイエルン・ミュンヘンに所属する19歳のMF
数々の最年少記録を塗り替えてきた神童だ。
同僚のマタイス・デリフトは「本当に滑らかな選手。そのドリブルはとても不思議。ボールを失ったと思っても取り戻す。すごい才能がある」と賞賛。ユリアン・ナーゲルスマン監督も「ボールが彼の足元に落ちてくる、彼は足元が非常に活発だからね。並外れた才能がある」、守護神マヌエル・ノイアーも「彼は非常に重要なキープレイヤーさ、特にファイナルサードでの1vs1の状況でね」と絶賛している。
彼はドイツ生まれながら、7歳で渡英するとチェルシーのアカデミーに8年所属。当時はイングランドのユース代表として、前述のベリンガムらとともにプレーした。
イングランド代表のギャレス・サウスゲイト監督は2021年3月にムシアラを招集しようとしたが、本人がドイツを選択。
指揮官は「彼は並外れた選手だ。彼はジュードとともにU-16でプレーしていた。我々がどれほど彼を気に入っていたか、どれほど引き留めようとしたか知っているだろう。だが、彼は影響力のあるドイツ代表が8人もいるバイエルンで練習していた。残念だよ。本当に特別な才能がある」と悔しがっている。
ユスファ・ムココ(ドイツ代表)
ドルトムントに所属する17歳のFW。
彼も数々の最年少記録を打ち破ってきた神童ストライカー。ユース年代の枠には収まりきらず、飛び級を重ねてきた。
16歳と1日でブンデスデビューを果たすと、マッツ・フメルスからも「彼はもうすでに素晴らしいね。僕は16,17歳だった頃のトニ・クロース、マリオ・ゲッツェ、クリスティアン・プリシッチたちとプレーしたことがある。ユスファは僕がともにプレーしたその年齢の選手のなかで最高のひとりなのは間違いない」と絶賛された。
日向坂46の影山優佳さんによれば、上村ひなのさんをサッカー選手に例えるならムココだそう。「同じ2004年生まれで若い頃から大活躍!(13歳なのにU-17代表でプレー)ゴールへの嗅覚がすごい…!スタミナとフィジカルもすごい…!」というのが理由。
ガビ(スペイン代表)
バルセロナに所属する18歳
弱冠17歳と62日でスペイン代表史上最年少デビューを果たし、「サッカーの申し子」とルイス・エンリケ監督から絶賛されたほどの才能を持つ。
技術の高さはもちろんのこと、左右両足が使えるうえ、出し手にも受け手にもなれる。体格は小柄ながら、アグレッシブで球際での負けん気の強さも魅力の一つだ。
幼い頃からスパイクの紐を結ぶのが苦手だったため、ほどけた状態までプレーすることが多い。
ペドリ(スペイン代表)
バルセロナに所属する19歳のMF
「アンドレス・イニエスタを彷彿とさせる。純粋な才能ということなら、彼は世界一だ。間違いなく。ゲームの理解力こそが、彼を偉大にするもの。3人に囲まれて、失うだろうと思ったところでも失わない」とチャビ監督が絶賛するほどの天才だ。
本人もイニエスタを比較されることを好んでいるが、父親にイニエスタと同じ髪形にしてとお願いしたところ、「彼はハゲているから無理さ」と言われてしまったというエピソードも。
ゲーム好きで初給料でプレステ5をゲットしたというが、給料は両親が管理しており、「今やりたいことは両親に家を買うか、今の自宅を改築すること」と語る孝行息子でもある。
アレハンドロ・バルデ(スペイン代表)
バルセロナに所属する19歳のDF
左サイドバックを主戦場に、両サイドをこなす。
フル代表経験はないが、負傷したホセ・ガジャに代わって代替招集され、W杯メンバー入り。
バルサではジョルディ・アルバを追い落とすようなプレーを見せており、チャビ監督も「18歳時点であのレベルでプレーできるのは驚き。すごいクオリティとキャラクターを兼ね備えている。フィジカルも素晴らしい」と絶賛している。
ジェウィソン・ベネット(コスタリカ代表)
サンダーランドに所属する18歳のアタッカー。
弱冠17歳で代表デビューすると、9月の韓国戦で2ゴールを決めて、世界的な話題になった。
父も叔父も元サッカー選手のサラブレッドで、その叔父は「彼は特権的だ。フィジカルもはるし、スピードもある」と賞賛。
本人は同じ左利きのアタッカーであるジョエル・キャンベル(元アーセナル)が好きだったとか。
ブランドン・アギレラ (コスタリカ代表)
ノッティンガム・フォレストが保有する19歳のMF。
18歳で代表デビューすると飛躍的な成長を見せている攻撃的MFだ。
『El Mundo』によれば、日本など戦うW杯については「とても興奮しているよ。この3チーム相手に勝ちぬける可能性はあるし、それを掴み取る。難しいグループだけど、最高の相手との対戦は素敵さ。3チームはワクワクするし、対戦したい」と話しているそう。
グループF
ゼノ・デバスト(ベルギー代表)
アンデルレヒトに所属する19歳のDF
ベルギーのディフェンスラインの未来を担うと期待されるニュースター。
189cmの巨漢センターバックだが、もともとはクリスティアーノ・ロナウドに憧れるアタッカーだった。
ビラル・アル・ハンヌース (モロッコ代表)
ヘンクに所属する18歳のMF
モロッコのW杯史上最年少選手になったフットサルを愛するドリブラー。
生まれも育ちもベルギーだが、祖父母の母国であるモロッコを選んだ。8月に解任されたハリルホジッチ監督の後任であるワリド・レグラギ監督によってサプライズ招集された。
グループG
シモン・エンギャパンドゥエトゥンブ (カメルーン代表)
マルセイユに所属する19歳のGK
生まれはカメルーンながら、幼くしてフランスに移住した。
カメルーン代表からの誘いを何度も断ってきたが、W杯前最後となる9月の招集を受諾。まだ代表戦にもマルセイユのトップチームにもデビューしていないが、メンバー入りを果たした。
グループH
アントニオ・シウヴァ(ポルトガル代表)
ベンフィカに所属する19歳のCB
NEXルベン・ディアスと期待される新鋭センターバックであり、冷静さと大胆さを併せ持つ187cmの大器だ。11歳からベンフィカで育成されたが、当初はホームシックも経験したとか。
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アブドゥル・ファタウ(ガーナ代表)
スポルティングに所属する18歳のレフティアタッカー
マンチェスター・ユナイテッドも注目する有望株であり、『Guardian』の「Next Generation 2021」特集では、「間違いなく、この世代で最高のアフリカ人有望株」と評価されている。
ダンラッド・イブラヒム(ガーナ代表GK)
アサンテ・コトコに所属する19歳のGK
まだフル代表経験はないが、ユース代表は歴任してきた有望株だ。10月のU-23アフリカネーションズカップ予選に勝利した際には、数週間前に亡くなった父にそれを捧げた。