二宮町長選 現職・村田氏が三つどもえ制し3選

支援者とバンザイで当選を喜ぶ村田邦子氏(中央)=20日午後10時35分、二宮町二宮の事務所

 任期満了に伴う二宮町長選は20日、投開票が行われ、無所属で現職の村田邦子氏(65)が元職の坂本孝也氏(78)と新人の三枝公一氏(55)を破り、3選を果たした。投票率53.12%で前回2018年を3.82ポイント下回った。

 村田氏は「2期8年で見えてきたものがある」と、来春開始する小中一貫教育や所得制限を廃止した小児医療費助成事業などを実績として強調。

 新庁舎整備など公共施設再編事業計画の推進や給食費無償化とオーガニック給食の実施、災害時の高齢者・障害者の個別避難計画の作成、行政手続きのデジタル化などを公約に掲げ、「二宮の魅力をより一層高めて次の世代につなげていく」と訴えた。町民目線の姿勢で、幅広い年齢層に支持を広げた。

 坂本氏は新庁舎計画に反対した上で、一体型の小中一貫教育推進の一環として学校を新設して集約する考えを示し、子育て世帯の経済的負担軽減策、給食費無償化なども訴えたが、支持が広がらなかった。

 三枝氏は要介護高齢者の在宅生活を支える定期巡回・随時対応型訪問介護看護の整備など高齢者福祉のほか、教育、エネルギー、食料自給率、就労率といった幅広い政策を訴えたが、現職に振り切られた。

 当日有権者数は2万4125人(男1万1593人、女1万2532人)。

◆村田邦子氏の横顔
 横浜市西区生まれ。専修大卒業後に海運会社に勤務した。双子の兄弟を出産後の1989年、吾妻山から望む富士山に一目ぼれして二宮町に移住。町議2期、県議1期を務め、2014年11月、町長に就任。健康維持で筋力トレーニングを始め、趣味は料理や合唱。

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