新聞コンクール神奈川県審査 小中高3部門の入賞者・学校を表彰 新聞記事に感想や意見 AI短歌題材の高校生も

受賞した児童生徒ら=ニュースパーク

 小中高校生が新聞記事の感想や意見をつづる第13回「いっしょに読もう!新聞コンクール」神奈川県審査の表彰式が20日、横浜市中区のニュースパーク(日本新聞博物館)で開かれた。関心のある記事を選び、家族や友人らと話し合って考えを深めた小中高3部門の最優秀、優秀賞と学校賞の入賞者・校に表彰状が贈られた。

 コンクールは日本新聞協会が主催し、県NIE推進協議会(赤池幹会長)が、県内から寄せられた計3826編を独自に審査。受賞者インタビューで、最優秀賞の小中高3人が、記事と向き合ったきっかけや表現したことを語った。

 横浜市立幸ケ谷小学校4年榎本梓乃さんは「先生の仕事」を題材にした記事を読み、忙しい先生に一日のスケジュールを取材した。校長から「楽しい学校にしたい」と聞き取り、そのためには学校新聞を作り応援団を増やすことが大事と記した榎本さんは「応援は子どもたちも地域の人もできる活動だから」と話した。

 鎌倉女学院中学3年池田心咲さんが選んだ記事は「卵子凍結 広がる企業助成」。働く女性の生き方を広げる半面、本人の意思が尊重されにくくなる懸念について母親と話し合い、女性に配慮した政策を重視するために積極的な政治参加を提言した。池田さんは「一面だけを見て判断するのではなく、良い面と悪い面を理解した上で自分にとって一番の選択をすることが大事だと感じた」と述べた。

 県立横須賀高校2年宮地蘭さんは、「AI(人工知能)短歌」を題材に歌人の俵万智さんが創作について考えるイベント記事を取り上げた。「AIが『感情』という道を通り始めた」「AIにないものを自分で見つけてみよう」とまとめたが、俵さんが好きだからという「小さなきっかけ」で記事を手にしたと説明。「AIと短歌という今まで考えたこともなかった組み合わせに関して考えを広められた」と視野を広げた記事との出合いを振り返った。

 表彰式に続き、NIE(教育に新聞を)の公開セミナー「みんなで取り組むNIE~実践の成果と課題~」を開催。日本新聞協会NIEコーディネーター関口修司さん、元横浜市立緑園東小学校校長の副島江理子さんが基調報告し、教育関係者ら約40人が意見を交換した。

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