北陸新幹線芦原温泉駅にぎわい施設、オープン4カ月前に「苦渋の決断」 あわら市、出店事業者との契約協議打ち切り

北陸新幹線芦原温泉駅の西口で、建設工事が進むアフレア=11月18日、福井県あわら市春宮1丁目

 福井県あわら市は11月18日、北陸新幹線芦原温泉駅西口に建設中のにぎわい施設「アフレア」の核となるカフェレストラン・物販店舗の出店事業者との契約協議を打ち切ると明らかにした。市は別の業者と協議を始めており、オープン4カ月前に業者が交代する状況に森之嗣市長は「来年3月オープンは必ず実現したい」としている。

 この日の市会全員協議会で前川嘉宏副市長が説明した。市は2020年12月に2社から「三丹」(同市二面)を選び覚書を交わした。同社の着工前に正式契約を結ぶ予定だったが今年9月、三丹から市に、資材高騰などにより当初予定した出店費用が6千万円から1億2千万円になると報告があり、市補助金の追加の申し入れがあったという。市は申し入れを断り、今月10日に契約協議の打ち切りを通告した。

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 三丹側は独自に融資や国庫補助金などで資金繰りをしていたとされるが前川副市長は「融資や国庫補助金の結果を待たずに着工して工事費が不足した場合、市が財政支出を余儀なくされる恐れがある」と打ち切りの理由を説明。「本体工事に影響するとオープンが最悪半年近く遅延する」とした。

 三丹の久田恭司社長は福井新聞の取材に対し「(出店に向け)誠実に前向きにやってきた。本当に遺憾」と話した。

 市は14日から選定審査で次点だった「ジェイアールサービスネット金沢」(金沢市)との協議を始めた。土産品販売やコンビニ、イートイン機能を持つ店舗になる予定。

 森市長は「(協議打ち切りは)市として苦渋の決断。店舗もある程度の形にして3月のオープンを迎えられるようにしたい」と語った。

 アフレアは、地上3階建て延べ床面積1948平方メートル。屋内ホールと屋根付きの屋外広場で構成され、カフェレストランほか土産店や観光案内所が入る。

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