【4学会】共同で「メロぺネム」のより厳格な使用絞り込み等を会員へ周知

【2022.11.21配信】日本感染症学会、日本化学療法学会、日本環境感染学会、日本臨床微生物学会の4学会は11月18日、抗菌薬「メロぺネム」の安定供給問題が継続していることを受けて、発注量の適正化や使用法の見直し、代替薬への切り替えなどを徹底するよう、会員へ周知した。

現在、各種の抗菌薬の安定供給が問題となっており、4団体を含む5学会はすでに3月10日に、厚生労働大臣宛に「抗菌薬の安定供給に向けた提言」を提出していた。
https://www.kansensho.or.jp/modules/news/index.php?content_id=352

今回は、その後も各種抗菌薬の供給停止や出荷調整が続いており、特に臨床の現場で使用頻度の高いメロペネムについて供給不足が生じていることを受けてのもの。メロぺネム点滴静注用0.5g「トーワ」およびメロペネム点滴静注用0.5g「サワイ」の供給停止に伴うもので、一部の医療機関ではメロペネムの入手がかなり困難になっているとの話が出ているという。一方、問題を悪化させている背景にはメロペネムの買い占めがあるという指摘もあるとして、4団体は以下の徹底を会員に周知した(以下、原文)。

1)メロペネムの発注量の適正化
通常の使用量以上の発注や在庫の確保を目的とした発注については、所属される施設の担当の方ともご相談の上、極力控えていただき、従来の発注量に見合ったレベルに抑えていただくようお願いします。

2)メロペネムの使用法の見直し
抗菌薬の適正使用の観点から、メロペネムの使用対象のより厳格な絞り込みをお願いします。また、必要以上の長期間の投与を控えていただくとともに、デ・エスカレーションを含めて投与期間の適正化もご検討ください。

3)代替薬への切り替え
メロペネムの代替薬の使用が可能な場合は、他薬剤を優先的に処方していただくことをご検討ください。実際の代替薬の選定については、症例毎に疾患や対象病原体により異なると考えられます。積極的に微生物検査を実施していただき、原因菌の確定や薬剤感受性の評価を行って、その結果に基づいた適切な抗菌薬の選択をお願いします。

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